植物の転写制御因子のひとつであるMYB相同遺伝子の器官形成における役割、及びMYB遺伝子ファミリー間の遺伝子発現における機能分担について分子レベルで明かにすることを目的とし、既にクローン化しているMYB相同遺伝子群の構造解析と組織特異的発現について解析する。さらにトランスジェニック植物実験系を用いて遺伝子に導入し、器官形成に与える影響を解析する。さらにMYB遺伝子ファミリーの機能の多様性の分子的基盤を明かにするために、MYB蛋白質のリン酸化などの修飾や蛋白質との相互作用による機能調節について解析を進める。 平成6年度には、既にクローン化しているシロイヌナズナのMYB相同性遺伝子のうちヒトcMYBと相同性の高いAtmybl遺伝子に関してトランスジェニック植物実験系で組織特異的発現について解析を進めた。 PCR法で同定されている6個のMYB遺伝子に関してはcDNAのクローニングを進め、その内の一つAtCDCSが酵母の細胞周期に関与するcdc5と相同性が高いことを明かにした。さらに大腸菌で発現したAtCDCS蛋白質にDNA結合活性があることを示した。 燐酸化によるMYB蛋白質のDNA結合活性の影響を解析した結果、ATMYB2蛋白質はリン酸化によりDNA結合活性失われることを明らかにした。植物のMYB蛋白質のDNA結合活性が燐酸化により影響を与えられることを明らかにしたのははじめてである。
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