研究課題/領域番号 |
06280102
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
江角 浩安 国立がんセンター, 研究所支所, 支所長 (70160364)
島田 力 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 主任研究員 (50158961)
舩江 良彦 大阪市立大学, 医学部, 教授 (00047268)
原田 信広 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00189705)
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
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キーワード | チトクロームP450 / CYP1A1 / CYP1A2 / アロマターゼ / Ahレセプター / 遺伝子多型 / 遺伝子導入マウス / がん原物質活性化 |
研究概要 |
1.ヒト胎児に特異的に発現するCYP3A7を導入したトランスジェニックマウスにアフラトキシンB_1を投与し、遺伝子損傷が起こることを明らかにした。また、ニトロソアミンの活性化を触媒するCYP2E1を導入した細胞はニトロソアミンに高感受性を示した。 2.日本人において初めて見いだしたCYP2D6遺伝子の9塩基挿入突然変異の頻度の解析を終えた。また、新たにCYP2A6の変異を示唆する結果を得た。 3.個体ががん原物質にどの程度暴露されたか、などの情報を元に計算するとある程度発がんの予測が可能となると考えられる。そこで本研究班では、まずこのような理論が発がんに適用できるか否かを検討し、さらにPhIPを例にして、PhIPのDNAアダクトの生成とその動態などの情報を元に、いくつかの仮定を置き、それが正しいとすれば、PhIPのヒトへの発がんリスクが予測できると結論した。また、がん原物質を活性化するCYP1B1を新たに見いだした。 4.ヘテロサイクリックアミンの活性化に中心的に働く、CYP1A2を誘導する最小の化合物を明らかにした。多くの多環芳香族炭化水素を活性化するCYP1A1の誘導的発現に働く調節因子の一つAmtにヒトにおいて変異体があることを見いだした。 5.膀胱に存在し、がん原物質を活性化するCYP4B1を新たに見いだした。また、乳がん組織周辺でのアロマターゼ発現亢進に組織特異的多重エクソン1のスイッチングが寄与していることを明らかにした。さらに、誘導性の一酸化窒素合成酵素(iNOS)にヒトで遺伝的多型があること、微小管を標的とする抗がん薬やヒトの神経芽細胞腫の細胞ではiNOSが誘導されるが、抗がん薬による誘導のみがIRF-1やNF-kBに依存していることを見いだした。
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