研究課題/領域番号 |
06280102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
高橋 芳樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80292019)
中山 佳都夫 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20261323)
有吉 範高 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00243957)
藤田 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60281820)
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研究期間 (年度) |
1999
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キーワード | P450 / サルモネラ菌 / 変異原性試験 / 代謝的活性化 / 遺伝子多型 / 肺がん |
研究概要 |
1.10種類のヒトP450(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1.CYP3A4、CYP3A5)をそれぞれヒトNADPH-P450還元酵素とサルモネラ菌YG7108(フレームシフト型遺伝子変異検出)あるいはTA1538(塩基対置換型遺伝子変異検出)に同時に発現させることに成功した。 2.樹立したサルモネラ菌の変異原性試験系としての有用性をaflatoxin B_1(AFB_1)と4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone(NNK)をモデル物質として検討した。AFB_1を用いた変異原住試験では、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C8あるいはCYP3A4を発現するTA1538を用いたときにのみ、変異原性が認められた。また、NNKでは、CYP1A1.CYP1A2、CYP2A6、CYP2C19、CYP2E1あるいはCYP3A4を発現するYG7108を用いたときにのみ、変異原性が認められた。したがって、突然変異の検出スペクトルが異なる両菌株を組み合わせて用いることにより、広範な化学物質の変異原性の評価が可能になると考えられる。 3.新規変異原物質2-Phenylbenzotriazole誘導体の代謝的活性化にヒトCYP1A1が関与することを明らかにした。また、アセチル抱合化も本物質の代謝的活性化に関与することを示した。 4.喫煙者である非肺がん患者と肺がん患者ではCYP2A6遺伝子型の頻度分布が有意に異なった。さらに、酵素活性の欠失した全欠損型ホモではオッズ比が0.24と著しく低下し、全欠損型アリルの存在が肺がんリスクを低下させることが示唆された。 5.さらにCYP2A6全欠損型アリルの存在は、小細胞肺がんと扁平上皮がんのリスクを低下させることも明らかにした。
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