研究課題/領域番号 |
06280108
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
清水 弘之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90073139)
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研究分担者 |
伊藤 宜則 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (50087665)
兜 真徳 国立環境研究所, 総合研究官 (00113481)
吉村 健清 産業医科大学, 産業生態研, 教授 (20037435)
早川 式彦 広島大学, 原医研, 教授 (40022834)
橋本 勉 和歌山県立医科大学, 教授 (70118454)
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キーワード | 日系米人 / がん罹患 / 栄養調査 / 慢性萎縮性胃炎 / 脂肪 / カルシウム / エストロゲン / キサントフィル |
研究概要 |
わが国でこれまで行われてきた主ながん登録の部位別がん罹患率と死亡率の比(I/D比)と、本研究の対象地域である4市・町の死亡数(1980-92)から、4地域の部位別がん罹患率を推定した。地域による若干の差はあるものの、米国の日系人および白人との差は著しく、国際比較のための基本的数値として有用であることを確認した。 例えば、胃がんの罹患率は日本の日本人>米国日本人>米国白人の順であり、血清ペプシノゲン値から推定した慢性萎縮性胃炎の有病率も同じ順であった。結腸がんの罹患率は、米国日系人>米国白人>日本の日本人の順であった。米国日系人の脂肪摂取量は日本の日本人より多いと推定された(1.6倍)が、白人ほどではなかった。また米国日系人のカルシウム摂取量は白人より低く(0.7倍)、日本の日本人と大差がなかった。米国日系人の乳がんは日本の日本人(低)と米国白人(高)の中間を示し、血清エストラジオールがそれに対応した値を示した。また、日本の日本人の血清キサントフィル(ゼアキサンチン/ルテイン)の値が白人に比べ極めて高いことを見出した。 合わせて、岐阜県某市における約10年前の栄養調査の記録を利用し、思い出しによる栄養調査の妥当性を検証した。必ずしも高い精度とは言えない(相関係数で0.3〜0.7)が、欧米での成績に近い値であった。 広島県H市において、米国に係累を移住者として送り出している母家系を把握し得たので、在米の係累の氏名、住所等のリストを完成させ、将来の研究の足がかりとしたい。
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