研究課題/領域番号 |
06280112
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 教授 (00030867)
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研究分担者 |
渡辺 昌 国立がんセンター研究所, 部長 (60051637)
新盛 英世 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226354)
林部 一人 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40198875)
藤原 美定 神戸大学, 医学部, 教授 (70030848)
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
佐藤 茂秋 神戸大学, 医学部, 教授 (00076994)
井上 勝平 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60040549)
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キーワード | 紫外線発癌 / 発癌の危険因子 / 皮膚癌検診 / 皮膚癌有病率 / 皮膚癌罹患率 / 日光角化症 / 色素性乾皮症 / DNA損傷 |
研究概要 |
1993年度の兵庫県加西市(人口約5万人)皮膚癌検診で基底細胞癌(BCC)は1人見出された。BCCの有病率は92年と93年で各々人口10万に対し、17.8人と15.1人と近似していた。日光角化症(SK)は92年度と93年度で各々36人と34人が見出され、各年の有病率は531.0人と365.5人であった。戸外労働者は室内労働者に比べ、また日焼けしやすいスキンタイプIはスキンタイプIIIに比べSK有病率は高かった。92年度SK無しの2,516人のうち93年度に16人がSKを発症したことから、SK罹患率は253.8人。 宮崎県清武町(人口25,858人)の検診では、受診者1,648人のうちBCC2人、SK13人でSK有病率は788.8人で加西市より高かった。 全国多施設調査では、1987年に比べ1989年ではSK患者数の急増(30%)。また40%のSKに太陽光に吸収波長をもつ薬剤が投与されており、SK発症との関連での解析が必要。 全国多定点紫外線計測では92〜94年の3年間で、UVBの増加は観測されなかった。 日本人色素性乾皮症A群のうち、A1wNIで切断されるホモ変異症例は、HphIに変異を持つ患者に比べ重い神経症状を示した。また、A1wNIとHphIのヘテロの姉妹例の解析から、皮膚癌発症には乳幼児期の日光曝露が大きな要因と考えられた。 抽出ヒトDNAではUVBにより生成される(6-4):Dewar比は4:1、太陽光下ではDewarのみが生成された。スキンタイプIはIIIに比べ、CPD、(6-4)共に3〜5倍高く生成された。スキンタイプIが紫外線誘発皮膚癌の危険因子であることが分子レベルからも示唆された。 担癌XPバリアントおよび非XP BCC患者では全例に、UVB照射皮膚で接触アレルギー反応の抑制が認められた。紫外線発癌における免疫抑制の関与が示唆された。
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