研究概要 |
1.t(8q;13q)転座切断点付近のコスミドコンティングの作製:前年度までに切断点付近にマップしたYACのsubcloningを行ない,切断点を含む4.2kb-EcoRI断片を基にしたscreeningで6個のcosmidを取得した.この6個に関してT3/T7プロモーター配列を含むEooRI断片を用いたサザン解析によりcontigを作製した.うち4個(cyk8-238,3-2A,cyk8-12,cyk8-163)を以下に用いた.2.部分的cDNAの単離と対応するゲノムDNAの解析:上記のcosmidDNAをSau3AIで部分消化後1-3kb断片をexon trapping vector(pSPL1)に挿入し大腸菌(DHα)にtransfectし,vectorを回収後Cos7細胞にtransfectし細胞質RNAを回収しRT-PCRを行なった.4個のexon様DNA断片を得た.次いでこの4個の配列からpnimerを合成し,種々の組織由来の全RNAを用いて3′RACEを行なった.RACE産物をその内部オリゴDNAをプローブとしてサザン解析し,K37と219で陽性シグナルを得た.K37(cyk8-12由来)は精巣で,K219は前立腺で優位に発現していた.K37の3′RACE解析で2種の産物を得た.塩基配列の比較で3′側配列が異なっていたので,alternative splicingによる転写物だと考えた.この2種の3′RACE産物の共通配列と,K37配列を基に各々のprimer(CD37RとK37F2)を作製し,種々の組織由来RNAとゲノムDNAのPCR増幅を行なった.精巣RNAとゲノムDNAでは各々123bp産物と265bp産物を認めたため,142bpのイントロンの存在が示唆された.123bpのRT-PCR産物をprobeとしたノザン解析ではシグナルが検出できなかったので,精巣RNAを用いて3′RACEと5′RACEを行ない,cDNA全長の単離を試みた.3′RACEの結果は,上述の2種の転写物の存在が予想されたが,exon7/8の位置関係はまだ不明である.5′RACEの結果,exon1/2は各々反復配列L1とAluであった.3.CD37の軟骨細胞での発現:軟骨組織ではprimer(K37F1/CD37R)を用いたRT-PCRで産物を認めたが,exon1から作製したRACFA1とCD37RによるRT-PCRでは産物を得ることができなかった.
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