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1996 年度 実績報告書

発がん過程における遺伝子変異

研究課題

研究課題/領域番号 06280250
研究機関国立がんセンター

研究代表者

長尾 美奈子  国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 部長 (40100151)

研究分担者 豊田 実  国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 研究員 (70270676)
牛島 俊和  国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 室長 (90232818)
中釜 斉  国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 室長 (30198030)
キーワードBrca-1 / Brca-2 / PP2AB / 染色体マッピング / LOH
研究概要

(1)Brcalの染色体マッピングおよびPhIP誘発乳がんにおける役割
報告されているマウスBrcalの配列にもとづいてprimerを設定し、ラット精巣cDNAライブラリーよりクローンを複数個得、PCR-SSCPによりSD,F344,ACI,BUF,DON,WKY,WF,LEW,SHR,WTCおよびZIの多型を検討した。BNとWTC間で多型が検出されたのでLinkage解析した。染色体10番Gh locusより4.6cMの部位、Aep,Ppyから0.4cM Ghよりに相当する部位にマップされた。PhIP誘発乳がん4/15例およびDMBA誘発乳がん4/15例でGhまたはPpyにLOHが誘発された。
(2)Brca2の染色体マッピングとPhIP誘発乳がんにおける役割
ヒトBRCA2cDNAをプローブとしてラット精巣からcDNAクローンを得た。それをプローブとしてラットゲノムクローンを得、ACI,BN,BUF,COP,F344,SD,WKYおよびWTC系統間の多型を検討した。ACI-BUF間で多型が検出されたので連鎖解析し、染色体12番にマップした。ヒトBRCA2は13q12-13でRB1は13q13にマップされているがラットではRb1遺伝子は染色体15番で、Rbとは分離された。
(3)PP2A B制御サブユニットαの乳発がんにおける役割
PP2A B制御サブユニットαのラットcDNAクローンを用いて3'の非翻訳領域のPCR-SSCP解析を行いACI-BUF間に多型を見い出し、染色体12番Rb1から1cMはなれた部位にマップした。SD-F344間で多型を検出し、16例のPhIP誘発SD x F344 F1乳がんおよび5例のDMBA誘発乳がんのLOH解析を行ったが、検出されなかった。
(4)結論
ラット乳発がんにおけるBrcalの関与が示唆されたが、Brcalの両アレルに変異があるかは、今後解決すべき問題である。Brca2に関してはエキソン11のコードされるアミノ酸の系統間における多型は、系統間の乳発がん感受性の差を説明できるものではない。今後SD-F344間の多型を検出し、Brca2遺伝子の関与を解明する。セリン/スレオニンホスファターゼの発がんにおける役割解明を目的とし、種々の分子種について今後検討する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Toyota,M.,Ushijima,T.,Nagao,M.,et al.: "Mlcrosatellite instability and loss or neterozygosity on chromosome 10 in rat mammary tumors induced by 2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine" Mol.Carcinogenesis. 15. 176-182 (1996)

  • [文献書誌] Toyota,M.,Ushijima,T.,Nagao,M.,et al.: "Genetic alterations in rat colon tumors induced by heterocyclic amines" Cancer. 77. 1593-1597 (1996)

  • [文献書誌] Nagao,M.,Wakabayashi,K.,et al.: "Human exposure to carcinogenic heterocyclic amines,and their mutational fingerprints in experimental animals" Environ.Health Perspect.104. 497-501 (1996)

  • [文献書誌] Suzuki,T.,Hayashi,M.,Nagao,M.et al.: "Organ variation in the mutagenicity of MeIQ in Big Blue【encircledR】 lacI transgenic mice" Mutat.Res.369. 45-49 (1996)

  • [文献書誌] Yamada,S.,Nakagama,H.,Nagao,M.et al.: "Linkage mapping of rat Rb1 gene on chromosome 15" Mamm.Genome. in press. (1997)

  • [文献書誌] Nagao,M.,Ushijima,T.,et al.: "Genetic changes induced by heterocyclic amines" Mutat.Res.in press. (1997)

  • [文献書誌] Nagao,M.,Sugimura,T.: "Carcinogenicity : Testing,predicting and interpreting chemical effect" Marcel Dekker,Inc. (in press), (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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