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1994 年度 実績報告書

ヒト前立腺がんのアンドロゲン依存性の分子生物学

研究課題

研究課題/領域番号 06281103
研究機関千葉大学

研究代表者

島崎 淳  千葉大学, 医学部, 教授 (10008229)

研究分担者 小西 登  奈良県立医科大学, 講師 (00075061)
矢谷 隆一  三重大学, 医学部, 教授 (80024636)
窪田 吉信  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10106312)
宮本 薫  国立循環器病センター, 研究所, 室長 (30125877)
松本 圭史  大阪府立母子保健総合医療センター, 総長 (70028299)
キーワード前立腺がん / アンドロゲン依存がん / アンドロゲンレセプター / Ras / p53 / 第8染色体 / SC115 / HPV
研究概要

1.がん遺伝子、抑制遺伝子
前立腺がんは早期より高率に複数の組織学的分化度の細胞が混在している。前立腺がん全摘標本を細分割し、それぞれよりDNAを抽出してRasとp53遺伝子をみた。同一症別における腫瘍内でもこれらの遺伝子変化は均一でなく、浸潤性増殖の部位にこれらの変化がみられた。したがってがんの前立腺内の進展はクローンの変化を伴うことが示された。
前立腺がんの初期(骨盤内限局病期)と内分泌療法不応がん(おもに剖検)について遺伝子変化およびHPVの発現を比較した。前者はほぼ全部がアンドロゲン反応性を示すと考えられる。APCは前立腺がんの進展に関与していなかった。Ras異常の大部分はKとHであり、初期よりみられ不応がんで頻度が増す。p53の異常はほぼ不応がんで低分化がんに多く、変異の部位は一定していなかった。HVPは初期より一部に発現をみた。以上よりRas,p53の順の変異となるが全体に20%の頻度とあまり高くなかった。つぎに未知の遺伝子の変化として第8染色体を検許した。これをラット高転移前立腺がん細胞に導入した結果、移植部位の発育は変わらなかったが、肺転移が減少した。前立腺がんについて新しく作られたRFLPプローベを用いて欠失部位をみた結果、8p22-p21.3および8p21-p11.22のいずれかまたは両方にみられた。8pの欠失は骨盤内限局病期41%、不応がん82%であった。
2.アンドロゲン レセプター
骨盤内限局病期では構造異常がなかつたが不応がん22例中3例にコドン877のACT-GCT(Thr-Ala)の変異をみた。3例中1例に別の部位にコドン701のCTC-CACCLeu-His)の変異をみた。コドン877の変異はステロイド特異性の変化が推測されアンドロゲン除去症候群との関係が示唆された。
3.マウスのアンドロゲン依存がん(シオノギがん115)
シオノギがん115の細胞内情報伝達にはC-mycを介するものと介さないものとの二種がみられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ichikawa,T., Shimazaki, J.et al.: "Suppression of metastasis of rat prostatic cancer by introducing human chromosome 8." Cancer Res.54. 2299-2302 (1994)

  • [文献書誌] Suzaki,H., Shimazaki,J. et al.: "State of adenomatous polyposis coli gene and ras oncogenes in Japanese prostate cancer." Jpn.J, Cancer Res.85. 847-852 (1994)

  • [文献書誌] Dobashi,Y., Kubota,Y. et al.: "DNA polymerase β geue mutation in human prostate cancer." Cancer Res.54. 2827-2829 (1994)

  • [文献書誌] Kouhara,H., Koga,M. et al.: "Transforming activity of newly cloned androgen-induced growth factor" Oncogene. 9. 453-462 (1994)

  • [文献書誌] Watanabe,M., Yatani,R. et al.: "p53 geue mutations in human prostate cancers in Japan: Different mutation spectra between Japanese and Western countries." Jpn.J.Cancer Res.85. 904-910 (1994)

  • [文献書誌] Konishi,N. et al.: "Expression of nm23-H1 and hm23-H2 proteins in prostate carcinoma." Jpn.J.Cancer Res.84. 1050-1054 (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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