研究課題/領域番号 |
06281244
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
押村 光雄 鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)
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研究分担者 |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 助手 (40225131)
清水 素行 鳥取大学, 医学部, 助教授 (80130756)
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キーワード | 転移抑制遺伝子 / 染色体導入 / 微小核細胞融合法 / マウスメラノーマ細胞 |
研究概要 |
我々は、未知の転移抑制に係わる遺伝子のマッピングを行うために、ヒト正常細胞由来のY染色体を除く全ての染色体を微小核細胞融合法を用いて、マウスメラノーマ高転移細胞株(B16-F10)へ導入し、各々のマイクロセルハイブリッド(MH)クローンを単離した。これらのクローンのうち、3、4、6、7、8、12番染色体移入クローンにおいては、ヌードマウスにおける造腫瘍性およびin vitroの増殖特性の抑制効果が認められなかった。従って、これらの染色体上に、転移抑制に係わる遺伝子の存在する可能性が示唆され、以下の研究のための資材を得ることができた。 1.抑制効果を示さない染色体移入クローンを用いて、ヌードマウスの静脈内投与による肺および肝臓転移を指標にした手法、受精鶏卵への注入による胎児肝転移を指標にした手法、試験管内浸潤法による転移検索能などにより、マウスメラノーマ細胞の転移抑制に係わる遺伝子の存在するヒト染色体の同定を行う。 2.造腫瘍性はあるが転移能の低下が認められたクローンを継代培養し、まれに出現する転移能を再獲得したクローンを分離する。また、まれに出現した転移部位からも細胞を得る。こうして分離したクローンについて染色体解析を行い、導入染色体の有無を確認する。 3.サザンブロットおよびPCR解析により、転移能を再獲得したクローンに共通する欠失領域を決定し、転移抑制遺伝子クローニングのための資材とする。 4.転移抑制遺伝子の存在が推定されるヒト染色体の特定領域を含むA9細胞を材料に、すでに当研究室で確立した手法を用いて、転移抑制に係わる特定ヒト染色体領域を保持したマウスA9細胞を作製する。この特定領域の導入を行うことにより、より直接的な実証を試みるとともに転移抑制遺伝子のクローニングのための資材とする。
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