研究課題/領域番号 |
06282244
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 全司 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40160684)
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研究分担者 |
秋吉 毅 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70038660)
安部 眞佐子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30222665)
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キーワード | IL-6遺伝子 / キラーT細胞 / SCIDマウス / 抗ヒト腫瘍免疫 / サイトカイン遺伝子治療 / transgenic マウス / bcl-2遺伝子 / アデノウイルス・ベクター |
研究概要 |
1.アデノウイルス・ベクターに導入したサイトカイン(IL-6)遺伝子(Adex・IL-6)を用い抗腫瘍効果を明らかにした。さらに、IL-6遺伝子+IL-6R遺伝子+gp130遺伝子をこのベクターを用いて直接担癌マウスに投与し、生体内キラーT分子と延命効果の相乗効果を明らかにした。 2.生体内の抗ヒト腫瘍免疫機構を解析しうる非常に再現性の高いSCID-PBL/hu(SCID-hu)の系をAdex・IL-6でヒトB腫瘍細胞が生着したSCID-huを治療すると延命、腫瘍腿縮、転移抑制効果を示した。さらに、ヒト胃癌患者及び大腸癌患者PBLと自己の癌細胞を投与して作製した担癌SCID-huをAdex・IL-6で治療すると、それぞれの自己の癌に特異的なヒトCD3+8+キラーT細胞が生体内で分化誘導され、しかも抗癌効果を示すことをはじめて明らかにした。 3.IL-6遺伝子+bcl-2遺伝子誘導によるキラーT細胞長期生存とT細胞分化の極めて強い相乗作用をはじめて明らかにした。サイトカイン遺伝子導入T細胞の生体内移入による長期生存を可能にし、新しい抗ヒト癌治療アプローチを提供するモデルを確立した。 4.IL-6遺伝子ノックアウトマウスを用い、生体内でIL-6が抗腫瘍免疫に重要な役割を果たすことを示した。さらに、種々の組み合わせのサイトカインTgマウスを作製し、(IL-7+IL-6)Tgマウスは特に強いT細胞分化相乗効果を示すことを明らかにした。 5.キラーT細胞の誘導に関与するサイトカイン遺伝子を用い、担癌マウスではIL-6、IL-2、IL-7、GM-CSFの組み合わせ、ヒト癌生着SCID-huでは、IL-6、TNFαの組み合わせ及びIL-6+IL-6R+gp130遺伝子で相乗的な抗腫瘍効果を得た。
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