がんの戦略的先端研究

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06283101
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 吉田 光昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012607)
• 研究分担者: 鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667) ; 渋谷 正史 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427) ; 谷口 維紹 東京大学, 医学部, 教授 (50133616) ; 月田 承一郎 京都大学, 大学院研究科, 教授 (50155347) ; 高井 義美 大阪大学, 医学部, 教授 (60093514)
• キーワード: がん研究の推進

研究概要

「がんの診断、治療、予防法の開発に向けて、ブレークスルーを求める先端的基礎研究を進める」ことを目的とし、領域における効率よい研究推進のための活動を企画し、実施した。がん研究全体と連携をもちながら「がんの分子生物学」の分野で特に優れた研究の推進のために、以下の活動を行い実質的な成果をあげた。
1)総括班会議(7回)をがん重点領域の他の領域と合同で開き、がん研究全体と連携を深めながら、領域研究推進のための計画研究を企画した。
2)領域の全体会議を持ち、研究上の連携を推進すると共に、研究の評価を行った。
3)4回の柱長会議をもち、領域内での研究連携を討論し、以下に述べる2つの総括班事業を企画し実行した。
4)班員による新しい遺伝子の発見・同定とともに必要となる蛋白の機能解析のための抗体調製を目的に、ペプチド合成を行い供給した。供給したペプチドは約120本にも及ぶ。合成支援の要請は、未だに増加しつつあり、その重要性を伺わせる。
5)本領域を中心とするがん研究グループの若手研究者(助手、大学院生)、約90人によるカンファレンスを主催した。個々の先鋭化された領域を越えてがんを勉強するとともに、共同研究の推進や将来のがん研究の進行を意図した第2回目の若手カンファレンスは、活気にあふれ、参加者の絶賛を得た。

研究成果

• [文献書誌] Suzuki,T: "HTLV-1 Tax protein interacts with cyclin-dependent kinase inhibitcr p16 INK4A and counteracts its inhibitory activity towards CDK4" The EMBO Journal. 15. 1607-1614 (1996)
• [文献書誌] Ozaki,K: "Romlp and Rom2p are GDP/GTP exchange prcteins(GEPs)for the Rholp small GTP-binding protein in Saccharomyces ccreviside" The EMBO Journal. 15. 2196-2207 (1996)
• [文献書誌] Furuse,M: "Overexpression of occludin,a tight junction-associated integral membrane protein induces the Formation of intracellular multilamellar bodies bearing right junction-like structures" J.Cell Sci.109. 429-435 (1996)
• [文献書誌] Tanaka,N: "Cooperation of the tumor suppressors IRF-1 and p53 in response to DNA damage" Nature. 382. 816-818 (1996)
• [文献書誌] Sawano,A: "Flt-1 but not KDR/Flk-1 tyrosine kinase is a receptor for placenta Growth Factor(PIGF),which is related to Vascular Endothelial Growth Factor(VEGF)" Cell Growth and Differentiation. 7. 213-221 (1996)
• [文献書誌] Tomida,A: "The glucose-regulated stresses cause decreased expression of cyclin D1 and hypophosphorylation of retinoblastoma protein in human cancer cells" Oncogene. (in press). (1996)