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1998 年度 実績報告書

リン脂質代謝関連蛋白及びSH_2/SH_3領域による細胞増殖制御

研究課題

研究課題/領域番号 06283202
研究機関東京大学

研究代表者

竹縄 忠臣  東京大学, 医科学研究所, 教授 (40101315)

研究分担者 深見 希代子  東京大学, 医科学研究所, 助手 (40181242)
キーワード膜ラッフリング / アクチン / プロフィリン / Rac / WAVE
研究概要

これらの結果から静止期の細胞ではN-WASPはAsh/Grb2と複合体を形成し、PHドメインを介して膜と結合している。一方、細胞内骨格は先端がcappingされ安定状態にある。細胞が増殖因子で刺激されると、チロシンキナーゼの活性化を受けて受容体に移行する。同時に活性化されたCdc42はN-WASPを活性化する。アクチンとのみ結合できず、他のプロフィリン結合蛋白質とは結合できる変異体はN-WASPによるフィロポジア形成を抑制した。更にpermeabilizeした細胞を用いてフィロポジアの形成にはGTP型Cdc42,N-WASP,プロフィリンとアクチンがあれば十分であることを証明した。N-WASPのverprolin,cofilin様ドメインは直接アクチンフィラメントと結合し、その部位の欠失は機能を失ってしまうので、重要な役割を果たしていると考えられた。そこで、verprolin,cofilin様ドメインを持つ新しい蛋白質を検索した。すでにデータベース上に機能は分からないが、verprolin,cofilin様ドメインを持つ蛋白質の記載があった。この蛋白質を解析したところ、膜ラッフリング形成にかかわっている蛋白質であったので、WAVEと名付けた。WAVEをRacとともに発現させると膜ラッフルの形成が見られ、WAVEはラッフリング部位に局在した。しかしCdc42との共発現においてはフィロポジアの形成は生じなかった。WAVEのdominant negative体を発現した細胞をPDGFで処理すると、通常見られる膜ラッフリングの抑制をおこした。WAVEはRacとは直接結合しなかったが、両者を発現させた細胞において、WAVEはRacと複合体を形成していた。これらの結果から、WAVEはRacの下流にあって、膜ラッフリング形成に関与する蛋白質であると結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Miki,H.,et al.: "Induction of filopodium formation by a WASP related actin depolymeriziing protein N-WASP" Nature. 391. 93-97 (1998)

  • [文献書誌] Yu,H.,et al.: "Phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate reverses the inhibition of RNA transcription causd by histon H1." Eur.J.Biochem.251. 281-287 (1998)

  • [文献書誌] Itoh,T.,et al.: "Identification of a novel phosphatidylinositol 4-phosphate 5-kinsae ; evidence for its phosphorylation and transcation in response to mitogenic signals" J.Biol.Chem.273. 20292-20299 (1998)

  • [文献書誌] Suetsugu,S.,et al.: "The essential role of profilin in the assembly of actin for microspike formation" EMBO J.17. 6516-6526 (1998)

  • [文献書誌] Miki,H.,et al.: "WAVE,a novel WASP-family protein involved in actin-polymerization induced by Rac." EMBO J.17. 6932-6941 (1998)

  • [文献書誌] Hiroyama,M.,et al.: "Purification and characterization of a lysophosphatidic acid-specific phosphatase" Biochem.J.336. 483-489 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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