研究課題/領域番号 |
06283210
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鶴尾 隆 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (00012667)
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研究分担者 |
清宮 啓之 癌研究会, 癌化学療法センター, 研究員 (50280623)
馬島 哲夫 医薬品副作用被害救済, 研究振興調査機構, 派遣研究員 (30311228)
藤田 直也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20280951)
冨田 章弘 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40251483)
内藤 幹彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00198011)
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キーワード | P-糖タンパク / 抗癌剤耐性 / 耐性タンパク / 耐性遺伝子 / 分子標的 / 耐性克服 / アポトーシス / 癌転移 |
研究概要 |
本年度は、がんの本体解明に伴うがん治療の分子標的を意識しつつ以下の5つの課題に取り組んだ。 1. 多剤耐性の分子機構と診断・治療 2. ストレス誘導の耐性の分子機構と治療への応用 3. アポトーシス誘導と耐性化の分子機構と治療への応用 4. 抗がん剤の新しいターゲットの解明 5. 転移がん細胞の特性の解明とその制御 これらの研究目的に対し以下の成果を得ることができた。 1. MDR遺伝子を発現したヒト急性骨髄性白血病の治療にアンチセンスオリゴヌクレオチドがin vitroで有効であることを見い出した。 2. 固形がん特有の環境ストレス下では、ストレスタンパク質GRP78が増殖シグナルの遮断に関与することを明らかにした。またストレスに高感受性を示しアポトーシスを起こす変異株の樹立に成功した。 3. 抗癌剤によるアポトーシスにおいて、Caspase活性化の上流でストレス活性化キナーゼ・カスケードが関与することを見出した。またp21Wafl/Cip1がCaspase-3により切断され、p21の抗アポトーシス活性が失われることを見い出した。 4. テロメラーゼ阻害剤としてエピガロカテキンガレートを見出し、テロメア短縮・細胞老化誘導活性を明らかにした。またチロシンホスファターゼPTP-U2Lの分化及びアポトーシスへの関与を示した。 5. がんの骨転移巣形成に関わるIL-11の作用機作を検討した結果、IL-11は骨芽細胞からのPGE_2産生誘導を介して破骨細胞の形成・分化を誘導していること、IL-11依存的な破骨細胞形成はCOX-2阻害剤により阻害されることを明らかにした。
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