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1997 年度 実績報告書

酵母を利用したがん関連遺伝子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 06283211
研究種目

重点領域研究

研究機関名古屋大学

研究代表者

松本 邦弘  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116375)

キーワードTGF-β / シグナル伝達 / MAPキナーゼカスケード / IL1
研究概要

TGF-βスーパーファミリーは、高等真核生物の増殖、発生及び分化において重要な役割を果たしている。最近、TGF-βによる細胞内シグナル伝達経路を制御する因子として、Smadsを介した経路とTAK1キナーゼを介したMAPキナーゼカスケードが同定された。これらの経路は並列に作用し、MAPキナーゼカスケードにより活性化された転写因子とSmadが相互作用することにより、転写を制御していると考えられる。Smadは直接TGF-β受容体によりリン酸化されるが、TAK1経路の場合、TAK1の上流で働く活性化因子TAB1とTGF-β受容体の間で作用する因子は明らかでなかった。そこで、ko因子の同定を試みた結果、IAP(Inhibitor of Apoptosis Protein)ファミリーの一つであるIAP3であることが明らかになった。IAP3は細胞内において、TAB1とTGF-β受容体と結合し、TGF-β経路に対し正に働く。
他のIAPファミリーであるIAP1とIAP2は、TNF-α受容体結合因子TRAF1、TRAF2との結合蛋白質として同定された。従って、TAK1はTNF-α及びIL1によるシグナル伝達経路にも関与することが予想された。事実、TAK1キナーゼ活性がTNF-α、IL1により活性化されること、TAB1-TAK1がIL1シグナル伝達経路のアダプター因子TRAF6とIL1依存的に結合すること、TAK1が活性化されるとNFκBが活性化されることが明らかになった。最近、TNF-α、IL1によるシグナル伝達経路でNFκBの活性化に至る経路に関与する因子として、IκBのリン酸化酵素IKKとその活性化因子NIKが同定された。TAK1とIKK、NIKとの関係を解析した結果、TAK1によるNFκBの活性化が、dominant negativeのNIK、IKKにより抑制されること、TAK1がNIKと細胞内で結合すること、TAK1によりIKKが活性化されることが明らかになった、従って、TAK1はNIK-IKKの上流で働く因子と考えられる。
このように、TAK1活性化因子TAB1がさまざまなアダプター因子と相互作用し、IAP3の場合はTGF-β経路に、TRAF6の場合はIL1経路に関与すると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ichijo,H., et al.: "Induction of apoptosis by ASK1,a mammalian MAPKKK that activates SAPK/JNK and p38 signaling pathway" Science. 275. 90-94 (1997)

  • [文献書誌] Watanabe,Y., et al.: "Characterization of a serum response factor-like protein in Saccharomyces cerevisiae,Rlm1,which has transcriptional activity regulated by the MpK1 (SH2)mitogen-activated protein kinase pathway" Mol.Cell.Biol.17. 2615-2623 (1997)

  • [文献書誌] Sugimoto,K., et al.: "Rfc5,areplication factor C component,is required for regulation of Rad53 protein kinase in the yeast checkpoint pathway" Mol.Cell.Biol.17. 5905-5914 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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