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1994 年度 実績報告書

腫瘍拒絶抗原の解析とペプチドワクチンの設計

研究課題

研究課題/領域番号 06283212
研究機関京都大学

研究代表者

山岸 秀夫  京都大学, 理学部, 教授 (90025429)

研究分担者 栗林 景容  三重大学, 医学部, 教授 (10064578)
キーワード前がん状態 / 腫瘍特異的CTL / 腫瘍特異的Th / 組換えワクシニアウイルス / Gagシグナル配列 / env領域ペプチド / ペプチド免疫 / IL-2産生
研究概要

1.フレンドウイルス複合体(FV)によって誘発された腫瘍特異的CTL株の標的を組換えワクシニアウイルスを用いて解析し、Gag前駆体Pr75のシグナル配列を同定した。シグナル配列中から数種のペプチドを合成したが、いずれも難溶性のために実験は困難を極めた。最終的には9残基SIVLCCLCLを標的ペプチドと決定した。この標的ペプチドのクラスIMHC(H-2D^b)結合モチーフは従来見られなかったものである。しかも、この配列はウイルス感染細胞や腫瘍細胞の増殖とがんの悪性化に必須の領域と一致したので、典型的な腫瘍拒絶抗原といえる。
2.FV誘発腫瘍特異的Thとして分離した2株には、内在性ウイルスに欠失しているenv領域ペプチド(f)を認識するものと、内在性env18残基中5残基の変化したペプチド(i)を認識するものとがあった。これらのペプチドでマウスを免役し、4週後にFV接種を行うと、fペプチド投与群で前がん状態の脾腫がゆっくりと退縮し、iペプチドでは脾腫の急速な退縮が見られた。
3.これまでにfペプチドの免疫によって多数のThクローンを分離したところ、標的ペプチドに対する反応性によって4群に大別できた。このことは単一ペプチドも抗原として呈示されたときのThによる認識は、クローンによって多様であることを示している。
またiペプチドが効果的なウイルス感染防御免疫を示したので、iペプチドの免疫によって得られたThクローン11株についてサイトカインIL-2の産生量を測定した。その結果、iペプチドによって誘導されたThクローンはすべて有意なIL-2産生を示した。このことは、FBL-3特異的Th標的抗原ペプチドの免疫が体液性免疫を活性化していることを示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shimizu Takeyuki: "Fine structure of a virus-encoded helper T-cell epitope expressed on FBL-3 tumor cells" Journal of Virology. 68. 7704-7708 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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