研究課題/領域番号 |
06283212
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岸 秀夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025429)
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研究分担者 |
宇高 恵子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40263066)
栗林 景容 三重大学, 医学部, 教授 (10064578)
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キーワード | FBL-3腫瘍 / 腫瘍拒絶 / 抑制性T細胞 / Th標的ペプチド / CTL標的ペプチド / 抗脾腫効果 / ランダムペプチドライブラリー / 人口ペプチド設計 |
研究概要 |
1.フレンドウイルス複合体(FV)によって誘発された腫瘍FBL-3は同系のB6や他の純系マウスとの一代雑種(F1)マウスでは拒絶されるが、DBA/2とのF1マウス(BDF1)では抑制性T細胞の存在のために生着する。FBL-3腫瘍を拒絶したマウスから分離したThの標的抗原ペプチドenu462-479(iペプチド)でBDF1を免疫すれば、10日後にFBL-3腫瘍を接種しても腫瘍拒絶が誘導される。この結果はThを活性化するペブチドが抑制性T細胞の不応答性も誘導したことを示唆する。 2.FV感染によって誘発される前がん状態の脾腫はFBL-3特異的Thの標的ペプチドenu122-141(fnペプチド)及びiペプチドによって退縮する。今回Thの標的ペプチドと考えられるgag9-35(p15ペプチド)とCTLの標的gagリーダーペプチド(SIULCCLCL)を発現する組換えワクノシアウイルスの抗脾腫効果をしらべたところ、それぞれ単独投与では50%程度の効果しか示さなかったが、両者を発現するワクシニアウイルスでの免疫により完全な抗脾腫効果が得られ、白血病の発生も阻止した。 3.8残基ペプチド中1残基を指定し、他の残基をランダムにしたペプチドライブラリーを用い、クラスIMHC H2-K^b結合に対する各アミノ酸の貢献度を定量評価し、特定のTCRを反応するエピトープのモチーフを同定するのに成功した。将来より強い抗腫瘍活性を誘導する人口ペプチドを設計する上で参考となろう。
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