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1995 年度 実績報告書

サイトカインのシグナル伝達機構と標的遺伝子群の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06283217
研究機関東京大学

研究代表者

谷口 維紹  東京大学, 医学部(医), 教授 (50133616)

研究分担者 原田 久士  東京大学, 医学部(医), 助手 (10222233)
瀧 伸介  東京大学, 医学部(医), 講師 (50262027)
キーワード癌抑制遺伝子 / IRF-2 / p48 / インターフェロン / IL-2 / シグナル伝達 / 細胞周期 / 転写因子
研究概要

本研究はサイトカインの機能解析を行うことによって細胞増殖とその抑制、癌化又は死の分子機構を明らかにすることを目的としている。本年度はまずIL-2受容体(IL-2R)β鎖に結合する新規のセリン/スレオニンキナーゼの同定に成功した。またIL-2シグナル伝達に関与するJakキナーゼの役割を明らかにするためにJak3のキナーゼドメインを欠失させたdominant negative変異体をコードするcDNAを作製した。そのcDNAを発現させたリンパ球系細胞(BAF)ではIL-2による増殖が強く抑制され、c-fosやc-mycなどの標的遺伝子の誘導が強く抑制された。しかし一方でbcl-2の遺伝子の誘導は全く影響を受けなかった。すなわちJakキナーゼはc-fos,c-mycの誘導経路に関与するがbcl-2の誘導経路には関与しないことが明らかとなった。
インターフェロン(IFN)系の転写制御因子として我々が発見したIRF-1が、DNA損傷によって誘導される活性化Tリンパ球の死(アポトーシス)に必須であることを明らかにした。更にTリンパ球においては細胞死を誘導する活性を示すインターロイキン-1β変換酵素(Ice)遺伝子がIRF-1依存性に誘導されることも明らかにした。IRF-1のもう一つの標的遺伝子として、癌抑制機能を示すLysyl oxidase遺伝子を同定した。
IRF-1と共にIFN-α/β系を制御すると考えられていたp48(ISGF3γ)を欠損するマウスの作製に成功した。このマウス由来細胞を解析することによってp48がIFN-α/β系のみならずIFN-γ系にも必須の因子であることを明らかにした。実際p48欠損細胞ではIFN-α/β又はIFN-γによるEMCV,HSV,VSVなどのウイルス増殖抑制が大きく阻害されることを発見した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Minami Y: "Protein tyrosine kinase Syk is associated with and activated by the IL-2 receptor,possible link with the c-myc induction pathway" Immunigy. 2. 89-100 (1995)

  • [文献書誌] Kawakami T: "Possible involment of the transcription factor ISGF3γ in virusinduced expression of the IFN-βgene." FEBS Letters. 358. 225-229 (1995)

  • [文献書誌] Uegaki K: "Secondary structure and folding topology of the DNA binding domain of interferon regulatory factor 2,as revealed by NMR soectrisco" FEBS Letter. 359. 184-188 (1995)

  • [文献書誌] Miyazaki T: "Three distinct IL-2 signaling pathways mediated by bcl-2,c-myc and lck cooperate in hematopoietic cell proliferation." Cell. 81. 223-231 (1995)

  • [文献書誌] Taniguchi T: "Cytokine signaling through nonreceptor protein tyrosine kinases." Science. 268. 251-255 (1995)

  • [文献書誌] Fuji H: "Activation of Stat5 by interleukin 2 requires a carboxyl-terminal region of the interleukin 2 receptor β chain but is not essential for the proliferative signal transmission." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 92. 5482-5486 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki H: "Dergulated T Cell Activation and Autommunity in Mice Lacking Interleukin-2 Receptor β." Science. 268. 1472-1476 (1995)

  • [文献書誌] Tamura T: "An IRF-1-dependent pathway of DNA damage-induced apoptosis in mitogen-activated T lymphosytes." Nature. 376. 596-599 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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