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1995 年度 実績報告書

胚発生に関与する転写制御因子とがん化の関連

研究課題

研究課題/領域番号 06283218
研究機関大阪大学

研究代表者

近藤 寿人  大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (70127083)

キーワードδEF1 / ジーンターゲティング / N-myc / 神経冠細胞 / サブトラクション
研究概要

がんの発生とその組織の変化には、肺発生期における転写制御機構が作用していることが多い。そのいくつかの例について研究している。
δEF1は、bHLH型活性化因子の結合配列CACCTGなどに結合し、抑制効果を発揮する。ジーンターゲッティングによって、δEF1の2つのallelesを作成した。1つは、δEF1全体を欠失たもの。第2には、δEF1のZnフィンガーのうち、-末端側のフィンガーを欠失したものである。2つのalleleに共通してT細胞前駆体が減少し、また出生後成育可能な第2のalleleをもつホモ突然変異はT細胞リンフォーマを発症すした。
転写制御因子N-mycを高発現する組織の多くは神経冠に由来している。神経冠細胞は、神経、グリア、色素細胞など多様な細胞種に分化する。N-mycは、最初すべての神経冠細胞で同等に発現されているが、神経細胞に分化する際に発現がさらに高まる。培養条件下、あるいは胚の中の神経冠でN-mycの強制的に高発現させ、その効果を分析した結果、N-mycの発現は神経冠細胞の神経細胞への分化の促進に加え、移動性の増大など、神経冠細胞の発生運命を多面的に制御していると結論された。
N-mycの転写制御因子としての制御標的は明らかでなかった。そこで、正常胚とN-myc欠損胚の間で発現に大きな違いがある遺伝子のnRNA群をサブトラクション法で濃縮し、そのなかから、N-mycの制御下にある遺伝子の候補を単離した。その被制御遺伝子が細胞分化に関与すると推定された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kadokawa,T.et al.: "A murine Thy-1.2 reporter vector containing a SV40 origin for rapid cloning and analysis of eukaryotic promoters." Gene. 153. 277-278 (1995)

  • [文献書誌] Kamachi,Y.et al.: "Invovement of SOX proteins in lens-specific activation of crystallin genes." EMBO Journal. 14. 3510-3519 (1995)

  • [文献書誌] KitsukawaT.et al.: "Overexpression of a membrane protein,neuropilin,in chimeric mice causes anomalies in the cardiovascular system,nervous system and limb." Development. 121. 4309-4318 (1995)

  • [文献書誌] Shoji,H.et al.: "Regionalized expression of the Dbx family homeobox genes in the embryonic CNS of the mouse." Mechanisms of Development. (印刷中). (1996)

  • [文献書誌] Selado,R.et al.: "Organization of the gene for transcriptional repressor dEF1 and cross-species conservation of encoded protein domains." Gene. (印刷中). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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