研究課題/領域番号 |
06283230
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
菅澤 薫 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 研究員 (70202124)
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研究分担者 |
須藤 龍彦 理化学研究所, 抗生物質研究室, 研究員 (30260227)
益谷 央豪 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 研究員 (40241252)
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キーワード | 無細胞系 / DNA複製 / DNA修復 / 阻害剤 / スクリーニング |
研究概要 |
既に我々の研究室で確立されているSV40DNAの無細胞複製系、及びヌクレオチド除去修復にともなう短鎖DNA合成を検出する無細胞修復系を用いて、新たなDNA複製、及び修復阻害剤のスクリーニングを開始した。これらのアッセイ系の既知物質に対する感受性を検討したところ、無細胞DNA複製反応を強く阻害する物質として、1)DNA2重鎖にintercalateするもの(daunomycin、quinomycin)、2)DNAの鎖切断を起こすもの(bleomycin)、3)DNAに結合してadductを形成するもの(cisplatin)、4)DNAポリメラーゼ阻害剤(aphidicolin)等が見い出された。また、1)4)のタイプの物質は無細胞DNA修復系に対しても強い阻害効果を示した。しかしながら、DNAトポイソメラーゼの阻害剤(VP-16,camptothecin)に関しては、いずれの系も顕著な感受性を示さなかった。これらの無細胞系を用いて放線菌培養液由来の未知試料のスクリーニングを行ない、有意な阻害効果を示すサンプルを複数個得た。その中でも特に、DNA複製に対して非常に強い阻害作用を示すもの、及び複製と修復の両方に対して強い阻害作用を示すものがそれぞれ1つずつ見いだされた。後者については、変性アガロース・ゲル電気泳動による反応産物の解析より、無細胞複製系におけるDNA鎖伸長段階が阻害されていることが示唆された。一方、前者の試料については複製阻害活性を指標として精製を進め、活性物質をほぼ単品として得ることに成功した。現在、この物質の構造決定を行なうと共に、もう1つのサンプルから活性物質の精製、及びスクリーニングを進めている。
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