研究課題/領域番号 |
06301003
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
今西 順吉 北海道大学, 文学部, 教授 (70000594)
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研究分担者 |
八力 広喜 北海道武蔵女子短期大学, 教授 (30091010)
向井 亮 北海道武蔵女子短期大学, 教授 (70002194)
小倉 泰 東海大学, 文学部, 助教授 (80214104)
野沢 正信 沼津工業高等専門学校, 助教授
細田 典明 北海道大学, 文学部, 助教授 (00181503)
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キーワード | 自然 / 唯識思想 / サーンキヤ哲学 / ヨーガ / ヴェーダーンタ哲学 / ヴァイシェーシカ哲学 / 原始仏教 / 説一切有部 |
研究概要 |
平成7年度は研究分担者が個々に研究を進めるのと並行して、その成果を北海道大学において開催した2回のシンポジウムにおいて発表し、研究分担者相互の意見交換を行った。 自然観が現代の課題として急速に浮上したが、元来「自然」という言葉の意味内容は多義的である。従ってその概念内容の検討が不可欠である。現代の用語としては西洋の nature の翻訳として、西洋的なニュアンスが強いけれども、それ以前から漢字「自然」の用例も少なくない。そこでこの問題の検討がなされた。また現代的な自然概念を前提して、それに対応する自然観をインドの文献に即して検討することがなされた。 この二つの方向がありうることは最初から予想されていたことであって、「自然」が何を意味するかは決して自明ではない。自然観を研究課題として設定した目的もまさにこの点を解明することにあったのであり、研究分担者の間で問題点が明確に自覚され、その解明が進展していることを意味する。 この二つの方向を掘り下げることが本研究の課題であるが、各分担者はそれぞれサーンキヤ哲学・ヨーガ禅定思想、ヴェーダーンタ哲学、ヴァイシェーシカ哲学、原始仏教・説一切有部、中観思想、竜樹、唯識思想、インド文学、仏教文学、インド音楽、インド建築、さらにアジア農業に即して、その自然観を個別に検討した。 それらを東洋的自然観の大観のもとに総合することによって、「インド的自然観」の主要な特色をまとめることが可能となるであろう。
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