研究分担者 |
下篠 信輔 東京大学, 教養学部, 助教授 (70183837)
長谷川 寿一 東京大学, 教養学部, 助教授 (30172894)
鳥居 修晃 聖心女子大学, 文学部, 教授 (50015012)
鹿取 廣人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
河村 満 昭和大学, 医学部, 助教授 (20161375)
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研究概要 |
(1)脳損傷者班は地誌的失見当の2事例について検討し,熟知した建物・風景の識別・同定は可能であるが,熟知した地域の地図を見て特定の地点を定位したり,複数の地点間の空間的な位置関係を把握したりすることが困難であることが明らかになった。MRIデータとの照合により,右脳梁膨大後領域と空間的な位置の認知との関連が示唆された。 (2)開眼受術者・弱視者班は,3名の開眼受術者における主観的輪郭の知覚について検討し,主観的輪郭は見えないが主観的輪郭に囲まれる図形の形は分かるという過渡的反応を見出した。 (3)発達遅滞班は2事例の発達遅滞児におけるかな文字の読みの習得について検討し,文字列の理解を促進するためには,音節に対する意識を高める訓練が有効であることが明らかになった。 (4)新生児・乳児班は,1歳前後の幼児がその探索行動時に,養育者の声色・表情・身ぶりなどの感情表出をいかに利用するかについて検討した。欧米の研究が示唆する結果とは異なり,日本の幼児は養育者の感情表出をあまり利用しないことが明らかになった。
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