研究課題/領域番号 |
06301014
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 安之 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (30195408)
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研究分担者 |
入江 詩子 長崎ウエスレヤン短期大学, 教養科, 専任講師 (30259733)
安達 義弘 久留米大学, 比較文化研究所, 助教授 (60175891)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 民間巫者 / 宗教的面接 / カウンセリング機能 / 「当てる」行為 / ラポール / 意識を超えた領域への開かれた態度 / アイデンティティ / インフォーマル・サポートネットワーク |
研究概要 |
沖縄の民間巫者"ユタ"7名、東北の民間巫者"カミサマ"3名から、成巫過程、世界観、カミ観念などに関して詳しい聞き取り調査を行うとともに、民間巫者の行う面接場面を観察した。また沖縄では民間巫者を利用した経験のある地元の住民に面接を行い、民間巫者をどのように利用しているかを調査した。 1.民間巫者の行う宗教的面接の特徴: (1)臨床心理学的カウンセリング面接との相違点 (1)民間巫者の行う宗教的面接における中核的な行為は、巫者が依頼者に関連した事柄について超自然的な方法で「当てる」ことである。(2)「当てる」ことによって巫者と依頼者の間に独特のラポールが形成され、それが巫者と依頼者との心理的共同作業を促進する。(3)巫者と依頼者とは共通した宗教的世界観を有しており、そのことが宗教的面接を依頼者にとって心理的に効果のあるものとしている。 (2)臨床心理学的カウンセリング面接との類似点 (1)新たな意味づけがなされることを通じて、依頼者の知覚している現象的場に変化と再体制化が起こる。(2)意識を超えた領域に開かれた態度が強調され促進される。 2.アイデンティティ:沖縄では、"ユタ"によるシジタダシなどによって祖先の歴史を発見し、その歴史に自己を関係づけることによってアイデンティテイの確認が行われている。 3.インフォーマル・サポートネットワーク:沖縄ではインフォーマルな家族支援ネットワークの中でユタが重要な役割を果たしている場合がある。
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