研究課題/領域番号 |
06301018
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
北村 寧 福島大学, 行政社会学部, 教授 (10097454)
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研究分担者 |
佐久間 孝正 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80004117)
伊坂 青司 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30175195)
松田 純 静岡大学, 人文学部, 助教授 (30125679)
湯田 勝 福島大学, 行政社会学部, 教授 (10100984)
小林 一穂 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20150253)
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キーワード | 社会理論 / マルクス主義 / 人間と自然 / 市民社会 |
研究概要 |
本研究の目的は、転換期にある現代日本社会の動態を分析するために、新たな理論的枠組みを構築することである。そのためには、まず、これまで一定の有効性を発揮してきた社会理論の諸潮流を批判的に総括(再審)することが不可欠の作業となる。そのさい、諸社会理論の総花的検討でなく、広い意味でのマルクス主義の諸理論と、それに対抗的に形成された諸理論に重点を置き、その批判的解明を目指している。 平成6年度は本研究の初年度であるので、研究グループ全体として一定の共通した了解に達するために、各メンバーが個別的テーマに関する研究を深め、問題関心や見解を自由に発表し、それを全メンバーで自由に討議することに重点をおいた。補助金が交付された7月以降、ほぼ月に1回のペースで研究会活動を行ない、各メンバーの報告が一巡したところである。これまでの研究報告のテーマは、「真木悠介『自我の起源』の検討」、「スミス・マルクスとハ-バーマスの社会理論」、「自然存在としての人間-フォイエルバッハの諸説を手がかりとして」、「エンゲルスの「法則」観の検討」、「神と国家-ヘーゲル宗教哲学研究」などである。いずれも、現代日本社会の理論的把握のために先人の業績を批判的に摂取するという観点に立った問題提起的報告であり、人間-自然関係把握の現代的視点からの再検討、「法則」に関するエンゲルス的思考の弱点、スミス・ヘーゲル・マルクスの社会理論の今日的意義と限界等々の論点について新しい見解が示された。 以上のように、本年度は各メンバーが個別的に研究課題を深めることに重点が置かれたが、次年度はマルクス主義社会理論の検討を中心的課題として研究を進める予定である。
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