研究課題/領域番号 |
06301020
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
矢澤 修次郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
|
研究分担者 |
長谷川 裕 琉球大学, 教育学部, 助教授 (30253933)
小玉 亮子 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (50221958)
矢澤 澄子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (00106296)
古城 利明 中央大学, 法学部, 教授 (70055185)
吉原 功 明治学院大学, 社会学部, 教授 (60062171)
|
キーワード | 新しい社会運動 / アイデンティティ / 情報化 / 国際化 / 多民族化 / 複合文化化 / 日常生活世界 / 身体論 |
研究概要 |
本研究の特色は、日常生活における住民の諸活動(広い意味での社会運動)の側から個個人の自立と地域社会の自立・発展とが切り結ぶ条件を明らかにする理論を構築することにある。研究会を通じての理論研究、さらには北海道、神奈川、名古屋、京都、大阪、岡山、広島、福岡などにおける予備調査の結果、以下のような研究実績を得ることができた。(1)情報化、国際化の進展のなかで、地域においては均質化と同時に多民族化、複合文化化が急激に進行し、地域は混沌、動揺、統治不可能性を経験しつつある。(2)したがって、そこに生きる人々は、これまで無意識に依拠してきた日常的思考の限界を経験しつづけることとなる。(3)その結果、個個人の内面、すなわち、意識されないがゆえに語られない、あるいはうっすらとは意識されてはいるのだが言語化するには至ってなくて語れない、そうしたレベルにおける不可視でなおかつ微視的な変動すなわち個々人の内なる社会変動とでも言うべきものが、社会そのものの根本的な変動にとって大きな意味を持つ、という仮設を設定することが重要になると考えられる。(4)このような仮設を取り入れることによって、社会の急激な変容だけではなくて、その変容を個人が内面的に生きる、「個々人の内なる社会変動」を把握することが可能になる。現代社会は、社会と個人両面における根本的な変化を経験しつつある。(5)さらに、個人の変容をアイデンティティ論、身体論、時間-空間論として深めていくことが大切になる。(6)そしてさらに、個人の変容から出発して、「不可視の社会運動」「未発の社会運動」を捉える事が重要になる。(7)そうしてはじめて、「新しい社会運動」の意味と本質が十全な形で把握できるようになる。(8)以上のような過程を捉えるためには、メルッチが提唱しているような日常生活過程を対象にしたビデオ手法が有効である。
|