研究課題/領域番号 |
06301031
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東郷 正美 東京大学, 教育学部, 教授 (70041283)
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研究分担者 |
島田 彰夫 宮崎大学, 教育学部, 教授 (70006724)
守山 正樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10145229)
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
吉川 昭 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30075329)
中村 泉 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (60091055)
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キーワード | 身体発育 / 1ケ月間隔の測定 / 長期間の観察 / 時系列解析 / 発育過程 / 健康情報 / 発育の終了 / 老化への移行 |
研究概要 |
今年度は3年の研究期間の初年度ではあるが、前年度から継続して研究を進めてきている。新たに札幌市の保育園のデータが入手できたので、これも加えてわが国の緯度別に季節変動をみると、秋田から札幌、旭川では季節変動は身長にはみられたが、体重は極めて稀簿である。この傾向の南限は未だ不明である。宮古、八重山を含む沖縄県や、奄美大島などの諸島を含む鹿児島県の発育データが入手できて、次年度には台湾から九州まで季節変動が詳細に解明できる。沖縄県の長寿村における発育はすでに毎月一回の測定が行われている。ここでは身長・体重以外にも体内脂肪の分布までを目標にした測定が二つの村立保育所で行われている。同県水納島小・中学校のデータも蓄積されてきつつある。 埼玉県のある小学校では毎月身体計測を行ってきたが、ある児童が頭痛その他神経系の異常を訴えたので、身体計測値を添えて病院で受診したところ、脳腫瘍を疑われ、精密検査の結果脳腫瘍が発見された。発育データが、正確な診断を迅速に下すのに役立ったとのことであった。 本年度の計画にも入っている朝晩2回の測定値をまとめた論文に対し、東京大学教育学部は博士号を授与することになった。 昨年6月にハンガリーで開かれた国際発育会議では、日本人の時系列解析による発育の研究が五題報告され、この手法による研究は日本のお家芸で、多くの参加者の関心を集めた。 まだ具体的な成果を得ていない研究分担者も夫々精進しているので、3年の期間の切れる迄には、発育の基礎的な研究、発育データから健康情報を得る研究、養護教諭や保母など小児を直接預かる方々の役割についても、まとまった成果が得られるものと期待できる。
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