研究課題/領域番号 |
06301043
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
間野 英二 京都大学, 文学部, 教授 (10027964)
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研究分担者 |
新谷 英治 関西大学, 文学部, 助教授 (20187561)
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40183090)
安藤 志朗 京都大学, 文学部, 助手 (00242991)
杉山 正明 京都大学, 文学部, 教授 (00127094)
久保 一之 京都大学, 文学部, 助教授 (70221934)
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キーワード | トルコ・イスラム時代 / 中央アジア文化 / 遊牧文化 / ティム-ル朝 / ウズベク族 / テキスト校訂 / 述語研究 |
研究概要 |
1.平成6年度に続いて、原典史料の収集・購入は活発に推進した。近年イランで校訂・出版されたティム-ル朝およびサファヴィー朝関係史料を多数入手し、公刊されていない写本史料についても、研究代表者・研究分担者が個人的に入手したマイクロ・フィルムをもとに、利用し易い形に整理した。その過程で、ナヴァーイ-著『マフブ-ブ・アルクルーブ』など、史料的価値が正当に理解されていなかったものを、数多く発見した。また、海外の図書館に所蔵されている写本コレクションの目録類の購入では、ポーランドほか、意外な国のコレクションの内容が明らかになった。 2.パーソナル・コンピュータを利用した作業では、間野英二作成の校訂本をもとに『バ-ブル・ナ-マ』に見られる語彙の分析を進め、予定通り、地名・人名・部族名などの固有名詞のみならず、複合動詞や一般名詞も含めた索引が完成した。その結果、中央アジア文化に対する理解を深める上で、極めて重要な述語の抽出に成功した。また、ヤズディー著『ザファル・ナ-マ』マシュハド写本に関して昨年度得られた新知見を、安藤志朗が独文で発表し、世界的に高い評価を受けた。来年度久保一之により公刊される予定のビナ-イ-著『シャイバーニ-・ナ-マ』からも、16世紀初頭のウズベク諸族に関する貴重な情報が多く得られた。 3.各研究班では、平成6年度に収集・整理しておいた、チャガタイ・トルコ語文献、ティム-ル朝関係ペルシア語文献、ナクシュバンディー教団関係文献、口承文学資料について、重要記事の抽出ならびに翻訳の作業をほぼ予定通りに完了した。これらの翻訳自体は公表可能な分量を大きく上回ってはいるが、作業中に得られた新知見は、来年度公刊する報告書において発表される予定である。
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