研究課題/領域番号 |
06301046
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前田 潮 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (40015897)
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研究分担者 |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70145225)
西本 豊広 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教授 (70145580)
山浦 清 立教大学, 文学部, 教授 (50111589)
天野 哲也 北海道大学, 文学部, 助手 (90125279)
菊池 俊彦 北海道大学, 文学部, 教授 (70000619)
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キーワード | 海獣狩猟 / 回転式銛頭 / 竪穴式住居 / 鈴谷式土器 / 十和田式土器 / 靺鞨文化 / 後北式土器 / 続縄文文化 |
研究概要 |
今年度は昨年度の予備調査の成果に基づいて、利尻町種屯内遺跡を対象として8月17日-9月3日の20日間にわたり本調査を行なった。 調査は1979年の大塚和義氏(国立民族学博物館)の調査地点に隣接して2m×20mのトレンチを設定して行ない、さらに発掘作業の進行に伴い、大塚氏発掘区域との関係を明らかにする目的でその北部に拡張区を設けた。調査の結果は、ほぼ、次のようなことがらが明らかとなった。 1、出土遺物・遺構から、この遺跡が縄文時代晩期-近世アイヌ文化期の2、000年以上の長期にわたる人々の活動が認められた。 2、その内、続縄文期、オホーツク文化の前期(十和田湖)・中期(刻文期)には竪穴居住の後が検出され、少なくともこれらの時代にこの遺跡が集落として機能していたことが今回初めて明らかとなった。 3、続縄文-オホーツク文化前期に属する調理場遺構と考えられる礫集積を数基検出した。このことはオホーツク文化成立期における続縄文文化からの継承性の一端を示す資料となりうる 4、オホーツク文化初期の鈴谷式期の遺物を包含する層をトレンチ北部で認めることができ、またこれに近い地点で続縄文の魚骨層を検出し、両者の層位的関係が明確となった。 調査の記録、出土遺物を持ち帰り整理分析を進めてきたが、その成果についての概要を利尻町立博物館の来年度の研究年報に掲載するため、目下調査研究報告の原稿を作成中である。
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