研究課題/領域番号 |
06301067
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱砂 敬郎 九州大学, 経済学部, 教授 (70039791)
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研究分担者 |
西村 善博 大分大学, 経済学部, 助教授 (50172705)
松川 太一郎 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (10229445)
永井 博 熊本学園大学, 経済学部, 教授 (50069952)
坂田 幸繁 中央大学, 経済学部, 助教授 (00153891)
坂元 慶行 文部省統計数理研究所(統計学), 教授 (50000211)
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キーワード | 統計調査環境 / プライバシー / 統計精神 / 調査拒否 / 都市化 / 統計教育 / 統計制度 / 統計法 |
研究概要 |
本年度は、政府統計にたいする国民の関心度と評価に関する実態調査を、地域類型を考慮して大都市(東京)、地方都市(福岡市)、農山村(熊本県矢部町・鹿児島県知覧町)および離島漁村(長崎県富江町)を調査地点として実施し、その成果は、『統計環境の実態にかんする調査報告1994』(九州大学経済学部統計学研究室)として公表予定であり、分析結果は、日本統計研究所『研究所報』1995年3月号に特集されるが、政府統計にかんする住民の心象、認知度および評価が、地域類型によって変容していくパターンを、一方では、昭和53年度調査との時点間比較分析によって、他方では、住民の年齢別・居住年数別・学歴別の地点間分析によって把握し、次のような知見が得られている。 (1)統計調査環境の変容が、調査環境=地域環境の社会的な構造変化、とくに都市化と不可分の関係にあり、統計意識が、政治意識や社会的関心度と密接に関連していることから、欧米諸国と同様に、わが国の統計調査環境の動向が、統計主体である政府にとって、楽観を許さない臨界点に達しつつあること、 (2)他方、地域住民の長期居住化と高年齢化によって、新しい地域コミュニテイが形成され、それに対応した統計調査員像が生成しつつあること、そして、 (3)統計調査が国の政治に活かされることを重視する公共意識を統計的精神(Statistical Mind)と呼ぶならば、現代的な統計調査環境の基礎的要因は、統計的精神の育成状況と浸透状況にかかっており、統計精神を育成するためには、とくに社会と統計の関連性を国民に理解させる統計教育の必要性が、住民の統計意識から鮮明になっていること。
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