研究課題/領域番号 |
06301072
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 建資 東京大学, 経済学部, 教授 (00116683)
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研究分担者 |
古内 博行 千葉大学, 法経学部, 助教授 (30156955)
堺 憲一 東京経済大学, 経済学部, 教授 (70138676)
萩原 伸次郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (80104694)
永岑 三千輝 立正大学, 経済学部, 教授 (70062867)
廣田 功 東京大学, 経済学部, 教授 (90055236)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 戦後改革 / ヨーロッパ統合 / 戦後再建構想 / マーシャル・プラン / ECSC / 欧州決済同盟 / シューマン・プラン / ドイツ問題 |
研究概要 |
わが国では第二次大戦後期の西洋経済史研究が未開拓であることを勘案して、本研究は戦後経済史研究の問題領域と方法論について外国の研究を成果を吸収することから開始された。これを通じて、比較史研究のための重要な問題領域が明らかとなり、従来の専門領域を参考に研究分担者の個々の研究課題が確定され、とくに以下の課題を取り上げることになった。(1)第二次大戦末期の戦後再建構想の形成、(2)戦後再建政策の展開、(3)アメリカの対欧州政策の形成と展開、(4)戦後再建過程における植民地問題の意義、(5)初期の欧州共同体の形成と各国の対応。第一と第二の課題を通じて、戦前と戦後の連続と断絶という戦後史研究の最大の問題について西洋経済史研究の側から問題提起を行なうことが期待できる。また英、仏、独、伊のケースの比較によって各国の戦後構想の違いとそれを規定した歴史的要因や今日の欧州の経済社会システムの特質の歴史的起源が明らかにされよう。第三の課題は、欧州経済の再建・統合の国際環境を論ずるものであり、これによって戦後国際経済の形成を主導したアメリカの対欧州政策の特質と同時にそれに対する欧州側の対応が明らかにされ、さらに欧州統合をめぐる欧米の間の一致と対立の複雑な関係を捉えるための前提が明らかにされる。第四の課題は、植民地放棄の過程を欧州統合過程と結びつけて論ずるものであり、これによって統合過程の把握に新たな視野が開かれると同時に、再建期の欧州経済の構造再編と結びつけて植民地史研究に新たな問題を提起することが期待される。最後の問題は、「欧州石炭鉄鋼共同体」を素材として、欧州統合の中に見られる欧州各国経済の相互依存の深化と緊張・反発の複雑な二面的関係を明らかにする。これを通じて統合の特質について新たな視野を開くことが期待できる。
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