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1994 年度 実績報告書

地域工業化の展開と近代国民経済形成の相互関連に関する比較史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06301073
研究種目

総合研究(A)

研究機関神戸大学

研究代表者

高橋 秀行  神戸大学, 経済学部, 教授 (00040783)

研究分担者 安元 稔  駒沢大学, 経済学部, 教授 (00067860)
石坂 昭雄  北海道大学, 経済学部, 教授 (80000686)
篠塚 信義  東北大学, 経済学部, 教授 (60000577)
キーワード工業化 / 地域工業化 / プロト工業化 / 地域経済 / 国民経済 / 農村工業 / 市場経済 / 人口変動
研究概要

1.すでに補助金交付の2年前からグループ研究を続けてきた研究成果をグループメンバー6人が平成6年度の第63回社会経済史学会全国大会(神戸大学,5月28日/29日)におけるパネルディスカッションで発表し,約300人の参加者と活発な討論を交わした。高橋と篠塚が問題提起と総司会を行い,石坂:「近代ヨーロッパ農村工業史研究の課題」,斉藤英里:「アイルランド麻織物工業の盛衰をめぐって」,馬場:「「プロト工業化」から「工業化」へ」,佐村:「フランス・ノール地方における農村工業と工業化」,の順で報告を行った。作道と谷本がコメンテーターとして,それぞれヨーロッパ経済史と日本経済史の立場から論点の整理を行った。
2.このパネルディスカッションを通じて,伝統的な国民経済の枠組みの中で工業化を研究してきた研究者の側から若干の批判と疑念が提出されたものの,工業化現象の地域的ないし超国境的性格の強調は大方の聴衆のポジティヴは反応を得た。国家の行政的境界が及ぼす影響力はもとよりこれを否定するものではないが,工業化がまずは特定地域の人的・物的枠組みの中で発生し,開花する特殊地域的な現象であること,またこの地域が政治上の国境を超えて,等質的な労働力,共通の資源,密な交通関係,共通の宗教等によって形成されることが改めて確認された。
3.このパネルの後引き続いて,平成6年11月5日,神戸大学において交付金認可以後最初の研究会が開かれ,高橋:「地域工業化をめぐる所仮説の比較検討」,重富:「工業化期イギリス農村の土地所有動向」,石坂:「工業地域と国境」の3報告を中心に充実した討論が進められた。
4.さらに,平成7年3月4-5日には,東京で第2回の「地域工業化」研究会が開かれる予定である。報告予定者は,斎藤修:「小農と市場と徳川経済の成立」,勘坂:「13世紀イングランドにおける市場経済化」であり,地域工業化開始直前の市場経済形成過程を日本とイギリスについて検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 石坂昭雄: "工業地域と国境 ドイツ,ベネルックス・フランス・スイス国境工業地域の形成過程の事例研究" 経済学研究(北海道大学). 43-4. 19-34 (1994)

  • [文献書誌] 重富公生: "イギリス「産業革命」論の新たなリアリティーコールマン,ハドソン,ランデス-" 国民経済雑誌(神戸大学). 169-5. 119-143 (1994)

  • [文献書誌] 高橋秀行: "ドイツにおける技術標準導入の端初" 国民経済雑誌(神戸大学). 170-6. 87-111 (1994)

  • [文献書誌] 奥西孝至: "ベルギーにおける中世価格史研究の動向" 国民経済雑誌(神戸大学). 171-3(発表予定). (1995)

  • [文献書誌] Kimio Shigetomi: "Turnover of the Landowners in Rural England:A Case Study of Land Tax Returns" Kobe University Economic Review. Vol.40. 47-60 (1995)

  • [文献書誌] 勘坂純市: "13世紀イングランドにおける市場開設と賦役・貨幣地代" 社会経済史学. 60-4. 1-32 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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