研究課題/領域番号 |
06301073
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高橋 秀行 神戸大学, 経済学部, 教授 (00040783)
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研究分担者 |
佐村 明知 大阪大学, 経済学部, 教授 (80127232)
斉藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
安元 稔 駒澤大学, 経済学部, 教授 (00067860)
石坂 昭雄 北海道大学, 経済学部, 教授 (80000686)
篠塚 信義 東北大学, 経済学部, 教授 (60000577)
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キーワード | プロト工業化 / 農村工業 / 地域工業化 / 地域経済 / 都市化 / 人口動態 / 国境経済地域 / 市場経済 |
研究概要 |
補助金が交付される最終年度に当たる平成8年度には、2回の研究報告会(7月、11/12月、東京大学経済学部)が開催され、延べ12時間、6人の報告が行われた。この2回の報告研究会では、これまでやや手薄のままに残されていたイギリス、フランス、オーストリアの地域工業化とそれをめぐる諸問題が集中的に議論の対象となった。勘坂は中性末期、商工業化段階の市場と人口移動を原史料ハンドレッド・ロールズを駆使して解明し、地域経済近代化の環境因子を探り、酒田はイギリスの首都ロンドンの近世における職業構造を調査し、首都圏地域経済の動向を検出し、安元は原史料・センサス原簿を用いて19世紀中葉の産業革命直後のイギリス工業都市、とりわけリ-ズの労働力移動を分析し、地域工業化を人口・職業動態面から究明し、御園生はオーストリアの工業地帯であるボヘミア、ニーダー・エスターライヒ、フォアアールベルクを選んで綿工業の発展を中心にこの後発中欧大国における地域工業化の進行を分析し、作動はフランスの代表的な繊維工業地域、アルザスとリヨンを取り上げ、具体的な事例を挙げて地域工業化の実態に迫っている。研究協力者として、河川流域を動脈とする「原経済圏」の構想を提起してわが国の西欧産業革命史研究に多大の刺激を与えている京都大学経済学部教授・渡辺尚氏を7月の研究会に招聘し、その「地域類型論」を聴き、活発な議論を交わした。本年度の主要研究課題は、地域工業化の不均等発展と一国産業革命の動態的な関連を探ることであった。その目的は時間不足もあって必ずしも十全に果たされたとはいえないが、一定水準のまとまりは得られたと思慮する。そこでわれわれは、3年間の研究成果を広く学会に公表し、多方面の意見と批判と仰ぐために平成9年度の社会経済史学会全国大会(東北大学)における共通論題「地域工業化の政治的・制度的枠組」の全報告を担当することに決定した。
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