研究課題/領域番号 |
06301076
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
西村 閑也 法政大学, 経営学部, 教授 (30061039)
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研究分担者 |
横内 正雄 法政大学, 助教授 (20166870)
飯田 隆 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30176044)
山本 栄治 甲南大学, 経済学部, 教授 (30122758)
居城 弘 静岡大学, 人文学部, 教授 (80022276)
玉置 紀夫 慶応義塾大学, 商学部, 教授 (80051621)
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キーワード | 金融 / 国際銀行業史 / 1870-1939年 / 国際金融 |
研究概要 |
平成6年度における研究業績としては、西村関也か以前に香港において収集しておいた香港上海銀行の内部資料を中心として明らかにした1913年の香港上海銀行の行内資金循環に関する論文が重要なものである。これによって、国際銀行の一例としての香港上海銀行の資金循環の動態が具体的な数値によって解明されたことになる。そこでは、同行がロンドンにおいて取り入れていた定期預金が、東アジアにおける同行の貿易金融の原資として決定的な重要性を有していたことが明らかにされた。同時に、東アジアの貿易金融の全体の中での同行のシェアがある程度まで推定できた。これは、フランク・キング教授の執筆した同行のオフィシャルな行史においても明らかにされていなかった諸点であり、大きな成果であると考えられる。 さらに、西村と横内正雄は、香港におもむいて香港大学の香港コレクションおよび香港上海銀行資料室から大量の資料・文献を収集しており、これの整理・分析に科学研究費補助金を用いる予定である。これは、平成7年度の成果につながるものと期待される。 赤川元章は、年来の研究の成果を『ドイツ金融資本と世界市場』として、平成6年11月に公表したが、そのなかでドイツの銀行のラテン・アメリカとバルカン・オリエントにおける貿易金融とこれらの地域のための資本発行の実態を解明した。玉置紀夫は、日本金融史の概説書を公表したが、そのなかで横浜正金銀行と日本の国内金融との関係を具体的に分析している。 その他の分担者も各自の領域の研究を進めてつつあるが、平成7年度の大きな課題は、これらの比較と突き合わせ、およびチャータ-ド銀行など、平成6年度には力ヴァーされえなかった国際銀行の活動の分析である。
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