1.水族館来館者行動の解析 来館者の具体的な観覧行動として、来館者の観覧動線・順序、観覧時間、観覧の位置、展示物への操作特性、滞在分布、具体的行動、視線、視点の位置、注視時間、随伴者との会話、などをVTR、カメラ、テープレコーダーなどにより詳細に映像記録をおこない、解析をおこなった。 とくに、学校団体の利用による児童の観覧行為についての調査をおこない、一般来館者と学校利用児童との観覧行為の違いについて考察した。さらに、教育的効果を高めるために、館内の展示観覧だけでなく実習を合わせておこなっている活動を対象とした。 この結果、実習やバックヤード見学の順序など、いくつかの条件の違いによって、展示観覧行為に影響が見られることが明らかになった。 2.水族館来館者像の考察 来館者の属性、来館目的、随伴者特性、意見・評価、学習効果の評価などについて、来館者に直接ヒアリングやアンケート調査などをおこなった。これにより、地域住民が水族館に求めている機能の動向を把握した。一般には、教育的施設というよりも、娯楽レクリエーションとして水族館を認識していることが分かった。 3.解説、展示手法による効果に関する考察 オリエンテーション、全体随行解説、部分解説などを試験的に行い、それによる観覧行動・動線・時間などの違いを観察調査し、影響や効果について考察した。解説員による現場解説については、観覧空間に解説員が常時居ることの重要性が指摘できた。
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