研究課題/領域番号 |
06301080
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
永井 規男 関西大学, 工学部, 教授 (00067604)
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研究分担者 |
山野 善郎 九州大学, 工学部, 助教授 (10212292)
沢登 宜久 近畿大学, 工学部, 教授 (00088585)
谷 直樹 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (40159025)
上野 勝久 文化庁文化財保護課, 技師 (20176613)
高橋 恒夫 東北工業大学, 工学部, 助教授 (30085443)
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キーワード | 中世 / 建築工匠 / 番匠 / 葺工 / 鍛冶 / 壁工 / 府県別 / 年次順 |
研究概要 |
本年度は前年度と同様に各研究者が担当地区における中世建築工匠(番匠、葺工、鍛冶、壁工など)の史料収集を補足継続して行い、あわせて収集史料の整理・検討を行った。担当地域は研修協力者を含め、前年度と同じである。 現在までに一部の地域を除き、既刊行物からの中世建築工匠史料の採録は、一応の目標は達成することができたと考えられる。もっとも、採録対象となりうる刊行物すべてに当たったかどうかは、確認が非常に困難であり、当然かなりの見落とし、漏れがあるものと思われるが。今年度の収録件数は一府県あたり平均40件で、前年度より大幅に減少しており、収録の目標度にかなり達成きていることが推測できる。ただ、最近の地方史研究は、従来無視しがちであった煉札の調査研究を重視しはじめている傾向があり、今後もかなりの新出史料がでてくるものと予想すべきであることも知られた。 現在は府県単位で、近代順に建築工匠の個々人別のカードと一覧表の作成中であり、全体を通じての検討はこれからの課題であるが、史料に現われる用語などから全国的な工匠社会での動向を見出す新しい手掛かりをうることができた。たとえば中世後期における「時の大工」とか「番匠衆」などの用語がそれで、これについては現在レポートを作成中である。今後は、工匠の個人的な動きを収集した史料全体のふかんを通じて行う作業等がのこされているが、当初の基本史料の収集という目的は、本質的には終わりのない作業ではあるが、ほぼ達成できたと考えている。
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