研究課題/領域番号 |
06301082
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 正郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20171522)
|
研究分担者 |
中島 正道 茨城大学, 農学部, 助教授 (30250989)
新山 陽子 京都大学, 農学部, 助教授 (10172610)
斎藤 修 広島大学, 生物生産学部, 教授 (40144894)
生源寺 真一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40196580)
土井 時久 北海道大学, 農学部, 教授 (60137388)
|
キーワード | フードシステム / フードチェーン / 食品産業 / アグリビジネス / 農業 |
研究概要 |
この研究の目的は2つある。1つは、食料・食品について、川上の農水産業から、川中の食品製造業、食品卸売業、川下の食品小売業、外食産業を通じて国民の食料消費に至る全体を「フードシステム」として捉え、そのフードシステムを構成する各経済主体間の相互関係を動態的に把握することから、「食」=「農」+「食品産業」というフレームでわが国の食料問題を解析する研究方法を開発することである。2つは、そのフードシステムの中で、食料消費、ならびに食品製造業、食品流通業、外食産業といった食品産業の担い手がダイナミックな変化を自ら創出してきているのに対し、その構成要素の1つであるわが国農業は、その変化に対応しきれず、みづから市場を狭めている実態を明らかにし、フードシステムという観点に立って、今後のわが国農業の在り方を解明することである。 本年度は、とくに3年間の共同研究の最終年次として、研究分担者の分担課題の最終取りまとめと、その相互調整のための論議を主要な課題とした。最終報告書は2部構成をとり、第1部は「フードシステム研究の課題と方法」と題し、構成主体間関係の展開とその新たな構築、フードシステム研究と既存の経済学や商学との関係、アメリカやイギリスにおけるフードシステム研究の現状などが論ぜられ、第2部では、米加工業、馬鈴薯加工業、酪農、乳業、食肉加工業、水産加工業、外食産業や、食品卸売業、スーパーマーケットなどが、それぞれフードシステムの構成主体として、原料供給者であるわが国農業・水産業に、また、最終消費者であるわが国の食料消費とどのように関わっているか、具体的にあきらかにすることから課題に接近した。これらの成果は、平成9年度中には公刊され、農業経済学者だけでなく、わが国農業関係者だけでなく多くのフードシステムに関連する方々に新しい観点からの問題提起となることが、期待される。
|