研究課題
本研究は、医療専門職者(学生を含む)に対する面接技法実習において有用な教育資源である、模擬患者の養成と利用に関するノウハウを、多くの教育現場に紹介し導入することを目的としている。1.過去に養成された約30名の模擬患者を利用して、東京と大阪の周辺や川崎医科大学等で講習会や実習を約40回開催した。各講習会では数十-百名の受講者を集めて面接技法に関する教育を行った。受講対象者は保健・医療・福祉関連の職種に従事している者あるいは学生とした。2.昨年と同様に1.の講習会の一部では、従来は1-2名ずつしか利用できなかった模擬患者を一度に3-5名利用し、より多くの受講者が模擬患者との面接技法実習を体験できることを試みた。また、模擬患者との面接をビデオに記録して再生することにより、受講者自身が自分の面接を正確に自己評価できるようにした。3.圧倒的多数の受講者が、模擬患者の演技と、模擬患者による評価(ロールプレイの相手をした受講者に対する)の重要性について高く評価した。受講者同士によるロールプレイと比較して、緊張感が高い、リアリティがある、医療者同士では気がつきにくい点についても評価してもらえる、などの具体的な利点が明らかになった。4.医学教育を担当している教官や指導医の講習会でも模擬患者を利用した教育技法を紹介することができたことにより、面接技法教育の必要性や、教育資源としての模擬患者の有用性を啓豪する事ができた。模擬患者を用いた教育に関するこれらの活動を日本医学教育学会や雑誌で発表した。6.1.-5.の活動と並行して、新たな模擬患者の養成とモデルケースの新規開発を進めた。
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