研究課題/領域番号 |
06301087
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
河邊 邉宏 専修大学, 文学部, 教授 (50012323)
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研究分担者 |
中川 聡史 人口問題研究所, 人口構造研究部, 研究員
大江 守之 人口問題研究所, 人口構造研究部, 部長
酒井 高正 奈良大学, 文学部, 専任講師 (60205705)
高橋 眞一 神戸大学, 経済学部, 教授 (80030683)
長谷川 典夫 専修大学, 文学部, 教授 (40004270)
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キーワード | コ-ホ-ト分析 / コ-ホ-トシェア / 一極集中 / 人口移動 / 都市システム |
研究概要 |
本年度は、初年度にデータベース化した人口移動関連データを駆使して研究課題について分析をおこなった。その研究成果を、人口移動の分析手法と分析の結果を得られた新しい知見という2つのカテゴリーに分けて見ると、まず分析手法に関しては、1960年国勢調査の移動データの分析と1986年に行なわれた移動歴調査のマイクロデータの分析から、人口移動の分析には年齢別の分析が必要不可欠であること、特に移動歴と年齢コ-ホ-トによる分析によって、人口移動のより深い理解、あるいは人口集中に関するより適切な解釈が得られることが明らかにされた。また新しい分析手法として、コ-ホ-トシェアの概念が人口移動と人口の一極集中の分析に採用され、その有効性が証明された。 分析結果からは、一般に、3大都市圈をめぐる人口移動が、高度成長期の人口分布への3大都市圏への集中から石油危機以降のそれまでの人口分布を分散の方向に向かう性格へと変化したが、1980年に入ってからの3大都市圏への集中の方向へと変化した時期、すなわち人口の再集中をもたらしている時期がそのまま継続している時期であり、とくに東京大都市圏への一極集中が顕著である時期とされ、また1990年代前半は、東京大都市圏への人口集中が終焉する兆候がみられるようになった時期であると理解されているが、1980-90年代前半の年齢別移動率、東京大都市圏をめぐる移動者の学歴別の分析から、1980年代前半と同様に、20歳を中心とする若い年齢層は高い3大都市圏への流入率をもっているが、それよりもやや年齢を加えた、25歳から30歳代にかけての年齢層では流出超過の傾向にあって、1980年代後半の5年間が、人口の再集中と東京大都市圏への一極集中の時期であるとはとうてい言えないこと、またコ-ホ-トシェアの変化から、1990年前半に東京大都市圏が人口集中の終焉を迎えるにいたった、とは言えないことが明らかとされた。
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