研究分担者 |
高橋 景一 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (40011481)
小川 正賢 茨城大学, 教育学部, 助教授 (80143139)
武村 重和 広島大学, 教育学部, 教授 (70112159)
木村 捨雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90000059)
大木 道則 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40011407)
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研究概要 |
1.将来的展望に立つ科学技術教育の新しい学力観の確立 これまでに考察を重ねてきた科学技術教育課程を支える基盤としての新しい学力観を確立するにあたり,『新科学知』(最先端の科学技術研究と学問中心の科学技術教育との融合)との名称を与えた学力観のモデルを構築した。モデルの第一の次元は,個別科学としての物化生地,技術,数学,情報学から,人間・科学・文化に至る,学問体系としての科学技術体系である。第二の次元は,これまで心理学の分野で研究されてきた子どもの成長発達の次元である。そして第三の次元は,経済・産業・文化・社会の構造の変容の次元であり,ここでは創造性・先見性が重視される。これまでの学力観,これからの学力観をこの3次元モデルによって説明し,教育課程・教育内容の体系化グループとの連携を図った。 2.科学技術教育課程・教育内容の体系化とカリキュラム開発 カリキュラム開発は,「科学技術教育」および「数理・情報教育」の2つの班が互いに連携を取りつつ作業を進めた。いずれの班でも重視されたのは上記学力モデルの第三の次元,すなわち経済・産業・文化・社会の構造変容と同期する形で変貌を遂げている科学技術,数理情報分野の内容の重視であった。科学技術教育では生命科学,物質科学等の内容が,数理・情報教育ではダイナミックな新数学像の検討やテクノロジー・オリエンテッドなカリキュラムの重要性が指摘された。また,この作業の遂行にあたっては,単にこれからの教育内容を検討するばかりではなく,科学教育現代化の時代の問題点を探るために,当時の作業にあたった研究者を招聘して随時研究会を開催した。
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