研究課題
本研究は、世界各地の情報教育及びコンピュータ教育先進国を対象に、「情報教育の実践や教具としての情報機器の活用をどのように行っているのか」、そして「学校現場での活動を行政や研究機関、民間企業がどのように支援しているのか」を文献や現地の研究者などとの情報交換に基づいて明らかにすることを目的としている。特に、研究メンバーの半数以上が、以前に同様の調査研究を行っていることから、「以前の調査以来、ここ5年間程度の間にどのような課題が発生し、それをどのように解決したのか」、「逆に、情報化への対応が失敗に終わったケースがあれば、その原因は何か」などに焦点を当てて、我が国の実践に役立つ成果を抽出する。今年度は、特に、アメリカ、オーストラリアに焦点を当ててコンピュータ教育の現状調査を行うとともに、日本の今後の緊急課題である情報教育カリキュラムの開発に示唆を得るため、ユネスコ、韓国、オーストラリア、イギリスの情報教育カリキュラムをより深く分析した。アメリカについては、昨年度、カリフォルニア州について現地調査を中心に現状をまとめるとともに、マルチメディアの現状についても現地調査を中心にまとめた。今年度は、ネットワーク上に公開されている資料や、印刷物として公開されている資料に基づき、アメリカ全体の傾向を調査し、以前の調査からの変化を分析した。また、情報教育カリキュラムについては、西之園らが開発した日本の高等学校普通科向け情報教育カリキュラムと比較することで、日本のカリキュラム開発への指針を得た。特に、諸外国のカリキュラムでは、高等学校段階以前に、より組織的に情報技術の活用を体験させること、そのために、情報教育を教科や試験精度の中で明確に位置づけていること、教養としての情報教育と、高等教育進学者向け情報教育、職業教育としての情報教育を区別し、目的に応じた整合的なカリキュラムが開発されている点などが参考になると考えられる。
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