研究概要 |
新井仁之と水原昂廣とは,space of homogeneous type と呼ばる一般的な空間上の Morrey 空間を研究し,そのMorrey空間に作用する線型作用素に対する補外定理を発見し,それを用いて調和解析や複素解析にあらわれる種々の作用素を研究した。新井は,多変数正則関数の研究に実関数論の手法を応用し,BMO,Hardy検,Bloch関数などについて数々の成果を得た。宮地晶彦,薮田公三らは,sharp最大関数を用いて定義されるC^α_pやBMO_φなどの関数空間の詳しい性質を調べた。薮田を中心とする奈良女子大のグループでは,Littlewood-Paley関数やMarcinkiwicz関数などについて精密な結果が得られた。勘甚裕一,佐藤園治らは,Hermite-Fejer多項式やLagurre多項式について結果を得た。佐藤は猪狩惶と共に,コンパクト可換群上のFourier multiplierのつくる環の作用関数についてほぼ最終的な結果を出した。立澤一哉,森藤紳哉らは,wavelet変換とその応用について独自の研究を進めている。その他に,多変数Fourier級数,Morrey空間の非線型方程式への応用,局所コンパクト群上の関数空間,フラクタルに関する研究などにおいても多くの成果が得られている。/平成6年12月19日から21日まで浜名荘において調和解析セミナーを開催した。27名が参加し活発な討論,意見交換があった。
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