研究課題/領域番号 |
06302019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
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研究分担者 |
松井 隆幸 高エネルギー物理学研究所, 教授 (10165748)
武田 廣 神戸大学, 理学部, 教授 (30126114)
笹尾 登 京都大学, 理学部, 教授 (10115850)
梶川 良一 名古屋大学, 理学部, 名誉教授 (40022537)
岩田 正義 高エネルギー物理学研究所, 教授 (80022698)
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キーワード | 電子陽電子衝突装置 / 標準理論 / 超対称性理論 / 大電力高周波機器 / 精密ビーム制御 |
研究概要 |
次世代の電子陽電子衝突装置JLC (Japan Linear Colider)を用いた素粒子実験の全体計画最終案の作成を目指し、物理や測定器の検討を行った。 1.前年度に行われたJLCでの物理シミュレーションの結果を踏まえ、最近エネルギーアップがなされたLEP1.5の実験データなどを評価したところ、標準理論を越える現象がこれまで予想していたよりも低いエネルギーで現れる可能性が出てきた。特に超対称性理論が有望であり、JLC第一期計画の重要性・緊急性がますます高められた。 2〜3.JLC実験におけるデータ収集・解析システムの検討を行った。B-ファクトリー実験やLHC実験と比較してトリガーレートやデータ量は少なく、今後数年間の計算機・エレクトニクスの進歩を考慮に入れれば、まったく問題はないと結論された。 4.JLC加速器開発研究においては、ビーム特性の理解、大電力高周波器、精密ビーム制御などの加速器技術の面で大きな進歩が見られた。一方、国外の加速器研究機関でも同様なリニアコライダーの開発研究が行われているので、これらの進展状況や研究成果等も合わせて検討した。この結果、国際的に見た日本の加速器研究・建設技術の水準の高さや、これまでの開発研究による寄与の大きさが示された。 今後は、リニアコライダーの早期建設を国際協力により推進し、かつわが国がそのホスト国になるというシナリオのもとに、より具体的な研究計画の策定や測定器等の検討を行っていく予定である。
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