研究課題/領域番号 |
06302024
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 昌一 九州大学, 工学部, 教授 (20112295)
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研究分担者 |
坪田 誠 東北大, 流体研究所, 助教授 (10197759)
中野 徹 中央大, 理工学部, 教授 (50055224)
川原 琢治 京都大, 工学部, 教授 (60027373)
沢田 康次 東北大, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
高木 隆司 東京農工大, 工学部, 教授 (80015065)
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キーワード | 時空間スケーリング則 / 散逸ソリトン / フィラメント / エンストロフィー / 量子渦糸 / 電気流体力学 / パターン選択 / 位相スリップ |
研究概要 |
本年度は主に個別の研究チームで総合研究を実施し、その成果は2度の福岡における集中討議で議論され、まとめられた。その結果を各班ごとの成果としてまとめると次のようになる。(1)対流セルにおいては、対流パターンの選択過程に時間的スケーリング則が理論的に見出された。そこでは、マクロな振幅方程式とミクロなスウィフト・ホ-ヘンベルグ方程式の双方で同じスケーリングが成り立ち、普遍なスケーリング係数が求まると同時に、EHDにおける実験で実証された。また化学反応と対流が結合した体系に散逸系特有のソリトンが観測された。これは次年度解明にとりかかる。さらに化学反応が表面で関与した、過熱液滴の自励振動についても、表面張力の変動を仮定して、実験で得られた振動数・振幅変化を理論的に説明することができた。(2)ところで、反応が関与していないが、しばしば流体に生じる散逸的なソリトンを、ヒルベルト変換形の不安定・散逸項を摂動として含むソリトン方程式で記述することを試み、その数値解析を行った結果、摂動が小さくても不規則なパルス列を生み出すことが分かった。(3)渦とフィラメントの乱流場での挙動に関しては、速度場の接線速度が不連続な流体間の界面では3次元的巻き上がりが生じ、3次元固有の特異性が現れることを解析的に示した。また、2次元乱流の数値シミュレーションによると、エンストロフィーの散逸の強いところでは渦面は一次元フィラメント状になっていることが見出された。一方、低次元の特殊な渦である超流動ヘリウム中の量子渦糸はピン止めされるが、そのピン止めの強さとその様子を数値的に求めることができた。 以上の成果の相互の関連性と普遍性についての研究は今後行うこととした。
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