• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

流体におけるフィラメントとセルパターンのダイナミックス-その機構解明と普遍性-

研究課題

研究課題/領域番号 06302024
研究機関九州大学

研究代表者

甲斐 昌一  九州大学, 工学部, 教授 (20112295)

研究分担者 坪田 誠  東北大, 流体研究所, 助教授 (10197759)
中野 徹  中央大, 理工学部, 教授 (50055224)
川原 琢治  京都大, 工学部, 教授 (60027373)
沢田 康次  東北大, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
高木 隆司  東京農工大, 工学部, 教授 (80015065)
キーワード時空間スケーリング則 / 散逸ソリトン / フィラメント / エンストロフィー / 量子渦糸 / 電気流体力学 / パターン選択 / 位相スリップ
研究概要

本年度は主に個別の研究チームで総合研究を実施し、その成果は2度の福岡における集中討議で議論され、まとめられた。その結果を各班ごとの成果としてまとめると次のようになる。(1)対流セルにおいては、対流パターンの選択過程に時間的スケーリング則が理論的に見出された。そこでは、マクロな振幅方程式とミクロなスウィフト・ホ-ヘンベルグ方程式の双方で同じスケーリングが成り立ち、普遍なスケーリング係数が求まると同時に、EHDにおける実験で実証された。また化学反応と対流が結合した体系に散逸系特有のソリトンが観測された。これは次年度解明にとりかかる。さらに化学反応が表面で関与した、過熱液滴の自励振動についても、表面張力の変動を仮定して、実験で得られた振動数・振幅変化を理論的に説明することができた。(2)ところで、反応が関与していないが、しばしば流体に生じる散逸的なソリトンを、ヒルベルト変換形の不安定・散逸項を摂動として含むソリトン方程式で記述することを試み、その数値解析を行った結果、摂動が小さくても不規則なパルス列を生み出すことが分かった。(3)渦とフィラメントの乱流場での挙動に関しては、速度場の接線速度が不連続な流体間の界面では3次元的巻き上がりが生じ、3次元固有の特異性が現れることを解析的に示した。また、2次元乱流の数値シミュレーションによると、エンストロフィーの散逸の強いところでは渦面は一次元フィラメント状になっていることが見出された。一方、低次元の特殊な渦である超流動ヘリウム中の量子渦糸はピン止めされるが、そのピン止めの強さとその様子を数値的に求めることができた。
以上の成果の相互の関連性と普遍性についての研究は今後行うこととした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Kai: "Hydrochemical soliton due to thermocapillary instability in Belousov-Zhabotinsky reaction" Physica A. 204. 346-358 (1994)

  • [文献書誌] S.Kai: "Structural transition and motion of domain walls in liguid crystals under a rotating mag field" Physical Review E. 51. (1995)

  • [文献書誌] R.Takaki: "Mechanism of Self-induced Vibration of a Liguid Drop Based on the surface tension fluctuation" J.Phys.Soc.Jpn.63. 1758-1768 (1994)

  • [文献書誌] T.Kawahara: "Numerical solutions and pole expansion for perturbed Korteweg-de Vries eguatic" J.Phys.Soc.Jpn.63. 111-120 (1994)

  • [文献書誌] T.Nakano: "Global and Local Scaling of the Enstrophy Dissipation Rate in 2D turbulenc" J.Phys.Soc.Jpn.64. 106-113 (1995)

  • [文献書誌] M.Tsubota: "Capacity of a pinning state for trapping quantized vortices in super fluid 4He" Physical Review E. 50. 579-581 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi