研究分担者 |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
高橋 正樹 茨城大学, 理学部, 助教授 (20134166)
大和田 正明 山口大学, 理学部, 助手 (50213905)
澤井 長雄 山口大学, 理学部, 助教授 (30127766)
白木 敬一 山口大学, 理学部, 教授 (60144911)
|
研究概要 |
本総研は,西南日本の火成活動とテクトニクスを統一的に理解することを目的にしている.平成6年12月26,27日の2日間,研究集会を開いて,研究の成果を発表し今後の総研の進め方について議論した.その結果,以下のようなことが明らかになった. 1.西南日本の新生代火成活動を特徴づける玄武岩について,その岩石学的特徴が明らかにされ,マグマの成因モデルが提案された. また,東山陰地域の玄武岩類が,特異なSr,Nd同位体アレイを形成することの意味づけや,マントル・メタソマティズムと特異な化学組成を持つ玄武岩の関係が明らかにされた. 2.安山岩,デイサイトについては,中部九州の大量の安山岩の活動とテクトニクスとの関係が明らかにされた.また,南部九州の肥薩,北薩,南薩火山岩類と,プレートの運動(火山フロントの東進)の関係,さらに鉱化作用との関係が議論された.また,最近岩石学者の注目をあびている,スラブが融解してできたデイサイト(アダカイトと呼ばれる)が,青野山火山群を構成していることがわかった.また,高マグネシア安山岩が,西南日本に多産する事実が報告され,その成因について議論された. 3.プルトニズムについては,白亜紀のプルトニズムの意義づけ,アジア大陸との関係が議論された.また,それに引き続く古第三紀プルトニズムとテクトニクスの関係が明らかになった.また,これらの火成岩の起源物質についても,Sr,Nd同位体の研究をもとに議論された. 4.東北日本と西南日本の比較岩石学的な研究によって,西南日本の火成活動の特徴が浮き彫りにされた.
|