研究分担者 |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 教授 (50143748)
佐藤 博明 神戸大学, 理学部, 教授 (60019495)
中田 節也 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60128056)
高橋 正樹 茨城大学, 理学部, 教授 (20134166)
白木 敬一 山口大学, 理学部, 教授 (60144911)
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研究概要 |
本総研は,西南日本の火成活動とテクトニクスを統一的に理解することを目的にしている. 1.西南日本の新生代火成活動を特徴づける玄武岩についての成因モデルと起源マントルの化学的特徴が明らかにされた.また,日本列島で唯一のプレート内ソレアイトの火山体(五島列島宇久島)の玄武岩〜デイサイトのマグク過程が明らかにされた. さらに,東山陰地域の玄武岩類が,特異なSr,Nd同位体アレイを形成することの意味づけや,マントル・メタソマティズムと特異な化学組成を持つ塩基性岩の関係が明らかにされた. 2.安山岩,デイサイトについては,中部九州の大量の安山岩の活動とテクトニクスとの関係が検討された.また,南部九州の肥薩,北薩,南薩火山岩類と,プレートの運動(火山フロントの東進)やマントル・ダイアピルとの関係が議論された.また,雲仙火山や久重火山の噴火についても研究が行われた.最近,岩石学者の注目をあびている,スラブが融解してできたデイサイト(アダカイト)と類似の岩石が青野山火山群を構成していることがわかった.また,高マグネシア安山岩が,西南日本に多産する事実が報告され,その意義について検討された.特に,多良岳火山地域では,高マグネシア安山岩がプレート内玄武岩と時空的に密接に関係して活動しており,高マグネシア安山岩の成因を考える上で新たな視点を与えた. 3.プルトニズムについては,白亜紀のプルトニズムの意義づけ,アジア大陸との関係が議論された.また,それに引き続く古第三紀のプルトニズムとテクトニクスの関係が明らかになった.また,これらの火成岩の起源物質についても,Sr,Nd同位体の研究をもとに議論された. 4.東北日本と西南日本の比較岩石学的な研究によって,西南日本の火成活動の特徴が浮き彫りにされた.
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