研究分担者 |
榊原 利栄 (堀 利栄) 愛媛大学, 理学部, 助手 (30263924)
川嵜 智祐 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
豊島 剛志 新潟大学, 理学部, 助教授 (10227655)
在田 一則 北海道大学, 理学部, 助教授 (30091408)
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研究概要 |
(1)日本列島の高温型変成帯に関する研究の進展.本年度11月に討論会を行い,合わせて代表的変成帯である肥後変成帯において現地討論を行った.本討論会では,日高変成帯グラニュライトユニットの部分溶融過程(小松ほか),高温マイロナイトの形成と地殻流動(豊島,小松ほか),S-タイプ/I-タイプ・ト-ナル岩マグマの関係(志村),日高変成帯の上昇速度(在田),阿武隈変成帯の広域変成作用と接触変成作用(田辺),領家変成帯の変形-変成作用(小松ほか),領家変成岩の原岩層序と構造(小松ほか),領家帯花崗岩マグマの起源物質(加々美),花崗岩の挙動とテクトニクス(早坂ほか),肥後変成帯の変成作用と部分溶融(小山内ほか),領家帯原岩物質の起源と形成テクトニクス(八尾),地殻部分溶融の新しい基準(広井),島弧における花崗岩マグマの形成位置(柳)の発表が行われた.討論では高温型変成帯における部分溶融と花崗岩マグマの形成,地殻流動の問題に焦点がしぼられ,これらの成果を通して島弧および大陸地殻の形成発展過程の解明に具体的展望が与えられた.地殻部分溶融と流動については,本総研として本年4月の地質学会(広島大学)の討論会として企画を行っている. (2)島弧下部地殻の組成構造に関する研究.火山岩中の変成岩ゼノリスの研究(小松),グラニュライト相の実験岩石学的研究(川嵜),バイブロサイスによる変成帯深部構造の解析(在田)が進行した. (3)付加体の形成場と構造運動の研究.高温変成岩すなわち島弧地殻の原岩として付加体の意義が再考され,アジア大陸東縁における付加体形成場と東弧高温変成帯形成場の位置付けを堆積物の性格と年代から考察する新しい研究が進行した(足立,鈴木).
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