研究分担者 |
榊原 利栄 (堀 利栄) 愛媛大学, 理学部, 助手 (30263924)
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90111624)
在田 一則 北海道大学, 理学部, 助教授 (30091408)
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研究概要 |
1.高温変成帯,変成岩の研究 領家変成帯において新たにざくろ石-斜方輝石グラニュライト,ざくろ石-きん青石-珪線石片麻岩が発見され,後者には十字石,コランダム,スピネルが含まれることが分かった.これらの岩石は領家帯では初めての発見であり,より深部の変成岩層を表わすものとして貴重な資料として重要な意義をもつ.また,肥後変成帯において従来知られていたコランダムースピネル-ざくろ石岩にサフィリンが発見され,蛇紋岩中の他のブロックとともに下部地殻から持ち上げられたレスタイトであることが判明した.これは日本列島における最下部地殻岩石の最初の発見である.さらに,これらを含む肥後変成岩の形成年代の最新の手法による結果は250Maであることが明らかになった.この年代が何を意味するか今後,大きな議論を呼ぶ.日高変成帯についてはト-ナル岩のへい入機構と深度,条件,デコルマンの形成に関する研究が進展した. 2.花崗岩-変成岩の年代と帰属 CHIME法による領家帯花崗岩および変成岩年代の測定が進められ,従来混沌としていた古期,新期花崗岩年代が明確にされた.これによると,古期は100-95Ma,新期は80-70Ma,変成作用は100Ma以前に始まり,古期花崗岩貫入時にピークに達した.この年代は領家帯全体を通じて共通しており,西から東へ年代が若くなるという従来の見解は誤っていることが明らかになった.また,黒瀬川帯に沿って220-250Maを示す花崗岩変成岩が点在することが知られているが,この帰属に関して性格な年代測定と岩石学的検討が行われた.
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