研究分担者 |
榊原 利栄 (堀 利栄) 愛媛大学, 理学部, 助手 (30263924)
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
柳 哮 九州大学, 理学部, 教授 (90037234)
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 教授 (90111624)
在田 一則 北海道大学, 理学部, 助教授 (30091408)
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研究概要 |
1.領家変成帯の研究.中部段戸山地域・西部瀬戸内地域において原岩層序と変形-変成作用の研究が進展し,領家変成帯のほぼ全域の原岩層序と変形-変成史が確立された.原岩層序はチャート砕屑岩シークエンス・砂泥互層整然層・ブロ-クンフォーメイション・メランジュからなり,地域および変成度によって構成が異なる.変形-変成史はD1(層理面に垂直圧縮,層面片理S1の形成,増進変成M1),D2(局所的剪断,層内褶曲,剪断面および軸面S2の形成,増進変成M1),D3(局所的剪断-マイロナイト帯の形成,剪断面S3,後退変成M2),D4(層理面/片理面S1に水平圧縮による鉛直褶曲・クレニュレイション褶曲-軸面へき開S4,後退変成M2)の4ステージにまとめられた.古期花崗岩はD1とD2の間に貫入している. 2.日高変成帯の研究.上部変成岩層の研究を着手し変成-変形過程と熱史に新しい問題が提起された.上部変成岩は初期変成期に擬六方双晶を呈するきん青石ポ-フィロブラストが形成され,これがその後回転する変形を受け,同時に岩石は黒雲母で特徴付けられる片理を形成する.これは初期に熱変成作用,つぎに広域的変形変成作用を受けたことを意味する.熱変成を与えた熱源は広範に分布するS-タイプト-ナル岩体であり、深部で変成帯の最高温度条件で部分溶触によって形成されたものである.したがって,上部の変成作用は深部の変成ピーク時期より遅れることが分かった. 3.最終年度としてまとめの研究討論集会を行い,付加体の形成から高温変成-変形作用,変成帯形成のテクトニクスまで含めて広範な議論が行われた.それらは月刊地球の特集号(1997年2月,3月号)として2つに分けてまとめられた.
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