研究分担者 |
西戸 裕嗣 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (30140487)
千葉 仁 九州大学, 理学部, 助教授 (30144736)
井上 厚行 千葉大学, 理学部, 教授 (30150270)
北川 隆司 広島大学, 理学部, 助教授 (70112167)
清水 正明 東京大学, 総合研究博物館, 助手 (50162714)
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研究概要 |
本年度の研究成果は以下のとおりである。(1)薩南地熱地帯の溶液の化学組成,H,O,Sr同位体を検討した結果,沖縄トラフなどの背張り海盆の熱水との類似が明らかになった。(2)秋田県焼山北部澄川地熱系の変質鉱物として33種が同定され、主要なものにつき鉱物学的研究を行った。その結果,花崗岩による熱変成作用と現在の熱水循環による熱水変質作用とが明瞭に区別された。(3)三途川カルデラにおける変質作用もメタル鉱物を除き類似しているが,沸石類が多く,カルデラ型沸石作用が卓越している。これに重複する型として,熱変成作用と3種の熱水変質作用が区別された。(4)西南北海道積円〜洞爺地域について熱水鉱床のK-Ar年代を測定した結果,中期中新世(15〜12Ma),後期中新世(10〜8Ma),鮮新立以向(<5Ma)に集中が認められた。(5)中国地方における白亜紀後期の熱水活動は山陽側で活発であり,西から東に移動したのに対し,古第三紀の活動は山陰側で活発であり、逆に東から西に移動した。(6)混合層粘土鉱物の生成機構を解明するためにTEMにより微細構造を観察した。その結果、スメクタイト→イライト化およびスメタイト→クロライト化ともに溶解-沈澱反応によることを支持している。(7)泉山陶石中のイライトの微細構造を観察した結果では,2 layerのものも1 layerのものも,ともにイライトは熱水から直接沈澱したものと考えられる。(8)堆積性イライトのK-Ar年代測定にはいろいろな問題点が指摘されてきたが,その対策を検討し,測定の精度を高めた。(9)Diuoyudaciteの鉱物学的問題点を検討した。
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