地殻の発達過程のモデリング

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 06302031
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 坂野 昇平 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30019468)
• 研究分担者: 板谷 徹丸 岡山理大, 自然科学研究所, 教授 (60148682) ; 広井 美邦 千葉大, 理学部, 教授 (40019427) ; 鳥海 光弘 東大, 理学系研究科, 教授 (10013757) ; 平島 崇男 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90181156) ; 北村 雅夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
• キーワード: 変成作用 / モデリング / P-T経路 / 岩石組織 / ミグマタイト

研究概要

今年度は10月10、11、12の3日間愛知県伊良湖休暇村での討論会を中心として活動した。伊良湖研究集会は“高圧変成作用の温度・圧力・変形履歴のモデリング"を主題として開いた。総研メンバーをはじめ、非メンバー、院生を含めて約80名が出席した。スライドを中心にした岩石組織の討論4、講演は“超高圧変成作用・テクトニクス・高温変成作用・変成岩年代学・その他"講演18、ポスター討論25の他に来日中のW.G.Ernst教授に特別講演を御願いした。ポスター発表者は各5分間ポスターの概要を講演した(これは評判がよかった)。微細組織からの変成作用の温度履歴の読みかた、変成帯のエクスヒューメイションのモデルの討論が盛んであった。とくに後者については定量的モデル化の必要性が強調された。参加者の宿舎がであったので、昼間の発表についての自由討論が夜更けまで続いた。またErnst教授との討論を期待し大半の発表は英語でなされ、特に院生が積極的に英語で発表したのは印象てきであった。
昨年度と今年度の総研の成果のはなるべく公開の専門誌に発表する計画である。そのため今まで総研で発表された成果を中心に月刊地球の特別号“地殻下部過程のモデリング(鳥海光弘編集)"(1996年2月)を発行した他、小松正幸代表の総研の共に成果の一部を坂野・Wallis・小松編集の“Mctamorphic geology of Japanese islands,new views"特集号を、Journal of Metamorphic Geologyに発表する予定で、同誌編集部と次の日程を約束した。
1996年6月原稿締切、1997・12月査読終了、1997年秋印刷。また変成作用研究の定量化については1996年度中に地学雑誌の特集号(坂野・鳥海・広井編集)を作ることに同誌の編集部と了解に達している。

研究成果

• [文献書誌] Hiramatsu,S.,平島・Cong.B.: "Ultrahigh pressure garnet lherzolite from Chijiadian,Rongcheng County,in the Su-Lu region in eastern China" The Island Arc. 4(印刷中). (1995)
• [文献書誌] 高須,ウオリス、坂野 etal.,:"Evolution of the Sanbagawa metamorphic belt,Japan." Lithos. 33. 119-132 (1994)
• [文献書誌] 榎並・ウオリスet al.:"Occunence of solid pyroxence in quartz schist:implication for the tectonic evolution of the Sanbagawa belt" Contributions to Mineralogy and Petrology. 116. 182-198 (1994)
• [文献書誌] Dobretzov,N.L.,渡辺暉夫他:"Comparison of ophioiltes and blueschists of Sakhalin and Hokkaido." Ofioliti. 19. 157-176 (1994)
• [文献書誌] ウオリス・平島・榎並・坂野:"Occunence and field relationships of UHP meta-granitoid in the Su-Lu terrane,China." Geol.Soc.Am,Bull. 108(印刷中). (1996)
• [文献書誌] Grew,広井・本吉:"Iron-rich komerupine in sheared pegmatite from the Wanni complex at Ho magama,Sri Lanka." European J.Mineral. 7. 623-636 (1995)