研究課題/領域番号 |
06302054
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研究種目 |
総合研究(A)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
木村 建一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063558)
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研究分担者 |
浦野 良美 九州産業大学, 工学部, 教授 (90037698)
小玉 祐一郎 建設省建築研究所, 室長
伊藤 直明 東京都立大学, 教授 (20087266)
吉野 博 東北大学, 工学部, 教授 (30092373)
荒谷 登 北海道大学, 工学部, 教授 (60001145)
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キーワード | 自然エネルギー / 民家 / 伝統技術 / 現代住宅 / 実測 / シミュレーション / 寒冷地 / 温暖地 |
研究概要 |
伝統的民家が有する多くの自然エネルギー利用技術の現代的適用に関して、各研究分担者はそれぞれの課題について研究を行い、以下のような研究成果を得た。 荒谷は北海道の低温貯蔵の伝統的手法に基づく屋外実験を行い、外気の低温と雪の断熱力と地盤の熱容量の効果を活かす貯蔵法を現代に引き継ぐ見通しを得た。 石原は沖縄県沖永良部島の藁葺き屋根の高倉について夏季の音悦環境の実測を行い、各部温度を比較した結果から暑熱緩和効果を明らかにした。 伊藤は民家の建築外皮の断熱・遮熱・熱容量の効果を総合的に表す評価手法について考案した。 岩下は鹿児島市の集合住宅において夏季自然通風によりクーラーの電力消費量が少なくなる傾向を六佛化硫黄を用いた測定により明らかにした。 浦野は九州地域の現代住宅における自然エネルギー利用技術の適用に関する意識調査を一般住宅と設計事務所を対象にアンケート調査を行いその結果を検討した。 小玉はかやぶき屋根の民家と蔵造り民家の部位別環境調査の工夫を分類整理し、それらの効果を定量的に評価するためのシミュレーションプログラムを作成した。 宿谷は自然暖房は日射エクセルギーを消費し、生成されたエントロピーを廃棄して成立していること、効果的な日射遮蔽とは日射エクセルギーを窓の外で積極的に消費させることの2点を明らかにした。 田辺は暑熱地域で着用される民族服を収集し、気流による着衣熱抵抗の変化を評価するための温冷感予測モデルについて新標準有効温度プログラムを作成した。 吉野は宮城県の3軒の民家の冬期環境実測を行い、採暖している居間の温度は20℃近く日射のある縁側の温度は高いが非暖房室の温度は極めて低いことを明らかにした。 渡辺は温暖地の住宅の熱環境調整手法を分類整理し、福岡の断熱住宅の普及状況と住まい方についてアンケート調査し、北九州市の高断熱高気密住宅と太陽熱利用空気集熱式床暖房住宅について室内熱環境の実測調査及び数値シミュレーションを行った。 木村、谷本は土壁の調湿性を持つ高性能調湿建材として塩化リチウムを珪酸カルシウム板に含浸させたものを作り、この測定を行い吸放湿性能を明らかにした。
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